【歌い手】転入した先が狼だらけの男子高とか聞いてない

狼 が 十 一 匹＊ ページ11

今日は学校遅刻して行くので更新*

＊・＊・＊

「ねぇ、もう終わりにしない？沢山女の子と遊んできたでしょ？高橋君。私で最後にしない？ほら私たち、体相性良い方だしさ！」

先程あんなに言われたにも関わらず懲りない女に尊敬すらする。

開きなおってるのか、勘違いしてるのか…、
何方にせよこの女が愚かなのか確か。


「悪いけどそんなことするつもりない。楓のそういうところ好きじゃないし、胸がでかくてちょっと顔が良いからって釣られる訳じゃないし。俺を甘く見てんの？抱いてって言われたから抱いてやったけどさ」


男側がそう言えば、パチンッという渇いた音が保健室に響いた。

「高橋君がそういう人だってよく解ったよ。肉つきすぎててごめんね」

瞬時扉の開く音の後誰かが出ていくような足音が響いた。


……今悪かったのは、高橋君(？)じゃなくて女の方じゃない？

高橋君最低だけど！

最低だけどさ、女の方が勘違いしてそれに気づけさせるように高橋君はあぁ言ったんでしょ？


いや何方も悪いか。


なんにせよ、もうそろそろ高橋君も出るだろうし私はもう関係ない。






＊＊＊






……数十分経っても出る気配ないんだけど

デ、デジャヴ…

静かに脳内であたふたしてると、隣のベッドがギシッと音をたてた。

そして床に着地したような音が。


お、これ出ていくんじゃ…？

もう屍のフリしなくて済むんじゃ…？


そんな淡い期待も儚く散って。

扉とは逆方向の私側に近づく足音が聞こえて慌てて寝たフリをした。


これ私の存在バレてるパターン？

怖いよ怖いよ。


必死に寝たフリをすれば、閉めていたカーテンが開いて。

実際は見えてないけど、カーテンを開ける音が真ん前でしたから多分私の所のカーテンを開けたんだと思う。

「…え……」

驚いたような声が少し聞こえて目を開けそうになったのを、寝返りをうって誤魔化した。


いやまぁ、もし今起きても聞いてたってことはバレないでしょ。

高橋君って面倒臭そうだから起きないけど。


なんて、寝たフリを続行してれば揺らされた肩。


此奴、私を起こす気か？！

無駄だぞ、現在私は自分で起床時間を設定できる状況下にいる！

私が望まなければ、高橋君が起こそうとしたって中々起きない設定にできるのだ！！

少々脳内でキャラ崩壊しながら肩を揺らす高橋君の手を無視してれば揺れは収まって。


変わりに私の上に何かが覆い被さった。

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