No.18 主犯と対峙 ページ19
確か、あいつらは広場にいたはず。
微かな記憶を頼りに、広場の方へと走る。
皆が無事であることを祈りながら。
すると、何か黒い大きなものが見えた。
なんだ......あれが“脳が剥き出しの奴”か？
ん、待て。誰か下にいる！？まずい！
.........えっ？
「対平和の象徴、改人......“脳無”」
『相澤、さん......？』
脳無の下にいた相澤さんは、骨を折られているのだろう。右腕がぶらん、と力なく垂れていた。
その光景に私は驚愕し、その場で固まってしまった。
が、脳無がまだ相澤さんを傷付けようとするのを見て、はっと我に返り個性を使って瞬時に移動する。
『っ......！！』
そして右腕で指令を出し、すぐに脳無を飛ばす。いつもと比べ物にならないぐらいの力で飛ばした。そうはすぐ戻ってこれないだろうと思い、相澤さんの元へ駆け寄る。
『消太さん......！』
「馬鹿っ...！おま、後ろ......！」
『っえ、な......！！』
思わず昔の呼び方で呼んでしまった。が、直後消太さんに後ろ、と言われ後ろを見てみれば、強い推進力で飛ばしたはずの脳無が。私の右腕を掴み、潰した。
『っぁ......！！！』
向こうの水場に、緑谷君と梅雨ちゃん、峰田君がいる。ここで私が声を出せば、三人とももっと怯えてしまう。そう思い、必死に声を抑えた。
そして、脳無の動きを止めるために、今度は左腕で指令を出そうとした。が、それもとどめを刺すかのように潰され、上に乗られる。その時に左足を踏まれ、頭は地面に叩きつけられた。
痛い、痛い、痛い。でも抑えろ。
「......あぁ、君が“神司A”かぁ」
痛みに耐えていたその時、不気味な声が聞こえた。
『は......？』
「ヒーローである実の父親と母親に虐待されていた......可哀想な女の子」
そう、実に不気味に、愉快そうに話す手だらけの男。
今更思い出して、感傷になど浸らない。だが、何故私の名前を知っている？そして何故その事実と一致して理解している？
「死柄木弔」
私がそれらについて悶々と考えている時に、モヤのようなものが、手だらけの男......死柄木弔を呼んだ。
「黒霧。13号はやったのか」
「行動不能には出来たものの、散らし損ねた制度がおりまして......一名、逃げられました」
モヤのような奴は、黒霧と言うらしい。黒霧は13号と対戦していたらしく、その状況を報告していた。
13号まで......！待って、じゃあ他の子は......！？
「......は？」
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作者名：ミカ | 作成日時：2018年2月15日 7時
