No.14 バスの中で ページ15
珍しい三人で話していると、向こうから飯田君の声が聞こえてきた。
「バスの席順でスムーズにいくよう、番号順に二列で並ぼう！」
「飯田君、フルスロットル.....！」
『ぶっ...！！』
飯田君は真面目を通り越して堅物すぎる。失礼だが、ぶれない姿に笑ってしまう。
「こういうタイプだったくそう！！」
「イミなかったなー」
『ぶっふぉっ！！も、無理.....っ...！！』
なんとバスに乗ってみると、飯田君の予想とは違う、電車タイプの座席だった。ドンマイ。
そして私は耐えきれず、吹き出して笑う。
『っははー.....あー、面白い...ん？』
「すー.....すー.....」
笑いが落ち着いてきた頃、肩に重みを感じた。見てみれば、隣のしょうが寝てしまい、頭を私の肩に預けている状態だった。
起こすのも悪いし、このままにしておいてあげよう。
「派手で強えっつったら、やっぱ轟と爆豪だな！後、神司はよく分かんねえけど強えしすげぇ！！」
『あはは、そうかな？ありがとう。後、名前でいいよ！苗字言いづらいと思うし』
「おう、分かった！ありがとな、A！」
「ケッ」
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから、人気でなさそ」
よく分からないが、褒めてもらえたと思うのでお礼を言う。一方、爆豪君が素っ気ない態度をとっていると、梅雨ちゃんが確信をついた一言を言った。
「んだとコラ出すわ！！」
「ホラ」
『ふっ.....！！』
爆豪君がのってるようにしか思えず、また笑ってしまった。今日だけで何度笑ったんだろう。腹筋バキバキに割れそうだ。
「この付き合いの浅さで、既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」
『ちょ、やめっ.....っふふ、はは！』
「てめぇのボキャブラリーは何だコラコロスぞ！！おめぇもいつまでも笑ってんじゃねえ！！神司！！」
『っだから、名前でいいって！ふは！！』
ずっと笑っていると、上鳴君と一緒に怒鳴られた。君って感じじゃないから、爆豪でいいや。
「低俗な会話ですこと！」
「でもこういうの好きだ、私！」
「爆豪君、君本当口悪いな」
「もうすぐ着くぞ、いい加減にしとけよ...」
「「「「ハイ！！」」」」
また、相澤さんの一声で皆がビシッとしまった。凄いな、相澤さん。
『しょう、起きて。もう着くよ！』
「ん、んん.....Aか、俺寝てたんだな。ありがとう」
『んーん、どういたしまして』
皆、笑っていた。
これから何が起こるかなど、誰も予測できずに。
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作者名：ミカ | 作成日時：2018年2月15日 7時
