No.3 個性炸裂 ページ4
個性把握テストが始まった。初めは50m走だ。
『私は21番だから...最後か』
事情により、苗字は 神司 なのだが出席番号は最後。
最後なので他の人がどんな個性か、よく見ることができる。
あの飯田って人、凄く早いなぁ...足には排気筒がある、という事はあれが個性か。蛙吹ちゃん？は蛙っぽいし、異形型の個性かな。
『...おもしろいじゃん』
ふっ、と笑みが零れた。
その後も全員個性を発揮し、取り組んでいた。だが、ある一人を除いて。
『緑谷、って子.....あ、次私か』
「そうだ。早く位置につけ」
『は〜い...と！』
相澤さんに指示され、それに従って位置につく。
.....まぁ、私はこんなのしなくたって...
「START！」
そう聞こえると同時に私は個性を発動させる。
「0秒54！」
大丈夫なんだけどね。
「「「「えぇっ！？」」」」
『ヒューイ、まぁこんなもん？』
入学初日に教室に訪れず、個性把握テストで急に現れた女がこんなタイム出したんだ。困惑するのも無理はないだろう。
でも、私の個性上これくらいは当たり前なんだよね。
「なっ...何今のぉ！？」
「凄い！なんて速さ...！！」
「個性何！？と言うかその前に誰！？」
走り終えると、質問攻めにあう。
だが私も聖徳太子ではない、一人一人ゆっくり聞いてほしい。
『え、えぇと...まず、私は神司A！クラスメートで〜す。それで今のは私の個性ね、個性は空間支配。己の意思一つでこの世に働く力の作用を操れるよ！』
なんとか聞き取れた質問に答えた。
すると、また一気に話し出す。
「まぁ...！すごい個性ですわね！」
「ほんとほんと！いいなぁ〜！」
「やばくない？すっげぇ羨ましい...！」
皆、褒めて羨ましいと言ってくれた。有難いけれども...
そこまで、いい個性じゃないと思うけどね。
『そうかな〜？まあ、ありがとう！』
そう思ったが、褒めてくれたので私は笑って返した。
「おい、早く次行くぞ。時間が勿体ない...」
『あ、はいは〜い。...だってさ、次行こ！』
そうして色々あったが、次々とそれぞれの種目に取り組み、個性把握テストを終えた。
そして結果発表。
「トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」
焦燥感に駆られるもの、特に興味のなさそうなものなど、反応は色々だ。
そして、開示する前に相澤さんが一言。
「ちなみに、除籍は嘘な」
「「「...！？」」」
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作者名：ミカ | 作成日時：2018年2月15日 7時
