あかしさん ページ46
片付けも終わり、空に星が見え始めた頃。
『なぁんか今日いろんなドレス着た気がする〜』
Aと僕。2人で衣装に着替え合流した。
«えっ赤司様かっこよくない･･･！？»
«キセキの中では低身長だけど、やっぱスタイルいい･･･♡»
«やばいやばいやばい荻原様荻原様荻原様っ»
«お似合い過ぎるぅ･･･よ、よだれが»
『ねぇあかしさん』
「どうした？」
『今だけ。いまだけは、前のあかしさんがいい』
前の･･･僕？
オレのことか･･･？
「･･･ｸｽｯ。しょうがない。善処しよう」
〘しょうがない。お前の愛する人なら、今回は特別だ。僕はこういう面においてはポンコツだしな〙
ありがとう。こんなにするっと変わることなんか初めてだった。
『あかしさん。わたしたのしみ』
「オレもだ」
敦の恋人であるAだけれど、奪ってみたいなんて考えてしまう。それほどオレもAが好きなんだ。
«まもなく夜の部、ダンスパーティーがはじまります。全校生徒は会場へ集まってください。»
会場へ向かうと、他にもコスプレや衣装を着ている生徒がいたが、やはり1番輝いているのはAだった。
広い玄関前で、踊っているうちに実行委員に選ばれたペアだけが噴水前の特設ステージで踊ることが許される。ちなみに去年はAと橙野のペアだった。
「ブランクがあるから少々足を引っ張ってしまうかもしれないが･･･」
『いーの。大会じゃないんだから、たのしも』
オレの頬を両手ではさむA。こんなことされて不快に感じないのはきっとAしか居ないだろう。
「そうか。ありがとう。」
『あかしさんのリードに合わせる。しっぱいしてもフォローするから。』
よろしく。そう言われて腕を組むと、感じたことの無い安心感が生まれた。
────「征ちゃん、今日もガンバ！」
あんなのとは違う一体感。
«それでは、始めてください»
タンゴの曲がかかると、オレとAはお辞儀をして手を取り合う。
帝光中ではダンスの教育が行き届いていて、特に社交ダンスについてはこの文化祭に向けて特訓授業が5､6時間目行われるほどだ。
だから、この夜の部のダンスはかなりアツい。
心地よい重力がかかる。荻原の滑らかな動きが助けてくれる。
気付けば実行委員に誘導され、ステージ上で踊っていた。
『ふふふ』
「どうした？」
急に笑ったAに話しかけた。
『楽しすぎて、たいへん！』
心の底から笑っていた。
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つゆロロ(プロフ) - あひるさん» ありがとうございます。荻原ちゃんの楽器についてですが、お好きなものを想像してください（笑）私的にはバリトンやユーフォなどの低音楽器をイメージしておりますが。初コメントうれしいです！これからもどうぞ、見守ってくだされば幸いです((*_ _) (2017年11月20日 19時) (
レス) id: 3fbfa2c7b2 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！因みに夢主ちゃんの楽器はなんですか？ (2017年11月20日 1時) (レス) id: a0a203a011 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つゆロロ | 作成日時：2017年11月7日 0時
