【花言葉は】レタス姫【牛乳】

てつや／りょうたさん ページ43

«いらっしゃいませ！カフェ“amour(アムール)”へようこそっ»


カフェは大繁盛。カレーを売りにしている僕達のお店では、クラスの全員で安くて美味しい特製カレーメニューを考えました。


«本日10時よりダンスショーが行われます！ぜひご覧下さい！»


amourの意味は“愛”


これは荻原さんの“荻”の英名、“amour silver grass(アムール シルバー グラス)”から用いたものです。


«あっ校長先生〜！どうぞうちのカレーとコーヒー、味わって行ってくださいね〜！»


一般のお客様のみならず、午前は朝早くから働いている学校関係者の方々に人気があります。


野菜が煮込まれていて、かなり本格的なカレーが楽しめるお店として、大大大盛況を迎えた頃。


«それでは只今より、ダンスショーをご覧頂きます！»


お客さんは全員カフェの中央に視線をやり、きらびやかな衣装を着た男女に対して歓声を上げます。


その中には、


「いけー！Aたん今日もめちゃんこかわええぞ〜」

「Aっちいいいいいいいい！」


橙野さんや黄瀬くんの姿も。


荻原さんのファンの方もかなり沢山いらっしゃるようで、その場にいる全員がワクワクした顔で荻原さんと紫原くんを見ていました。


2人の踊りはとても素晴らしく息の合ったもので、終わった頃には大拍手が送られた。


『12時ころにまたやります。きてね』


良い笑顔で2人仲良く肩を並べて裏へ入っていくのを見送り、僕も仕事を続けた。


────


「あぁ〜Aっち最高すぎてつらいっス」


「わかりすぎてつらい」


12時のショーは仕事で見れないので10時のショーをみてオレとAっちはお別れ。


一緒に付き合ってくれた橙野サンと別れてそそくさと店を出た。


宣伝のため廊下を歩いていたAっちをみつけ、後ろから抱きつくといい匂いがした。


『りょうたさん』


「Aっち、美しいっス･･･」


『みみくすぐったいよ』


いつも通り、彼女らしい態度で安心する。もうこの感触が明日から2年ほど味わえなくなるのが本当に残念に感じる。


「オレ、仕事にいかないと行けないんスよ〜」


『がんばって』


「ちょ、お別れッスよ！？冷たくないっスか！？」


そんなことないよ、そう言ってAっちは振り返った


ぎゅっ


『また、会えるでしょ？』


「〜っ！！もう好きが溢れて溢れて溢れてるッスよ！！」


可愛いAっちとの再会を約束して、オレは仕事に向かった。

あつし→←あつし

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す