【花言葉は】レタス姫【牛乳】

りょうたさん／わたし ページ40

文化祭まであと一週間。


Aっちとのお別れまであと一週間。


お化け屋敷をやるうちのクラスでは急ピッチで作業が進められてた。放課後もそれを理由にして部活に行かなかったりして。


楽しかった日の記憶を思い出せば思い出すほどAっちが恋しくなる。全く罪な女ッスねぇ。


«あのっ黄瀬くん»


「？なんスかー」


«えっと･･･帝光祭の夜のダンスパーティーって、踊れませんか？»


「ゴメンナサイ。オレ夜までいられないんスよねぇ」


生放送の仕事が入っているから、余計にAっちと早いお別れになってしまう。


今の段階でも海外に行く準備でAっちとかよく学校休むし、来たとしてもクラス違うしで最近は滅多に姿すらも見なくなった。


なんか、Aっちってホント、


「ズルいんスよ･･･」


もっと早く仲良しになればよかった。そうすれば紫っちより親密になれたし、もしかしたら恋人になれたかも･･･。そう考える度また昔に戻りたくなる。


«コンニャクは！？»


«職員室の冷蔵庫にあるハズ！»


«えぇあれ使うのか？先生食べちゃったぞ»


«先生のバカ！！！！！»


クラスの浮かれた雰囲気とは裏腹なこの感情に囚われながら、時間だけはどんどん過ぎていった。


────


ごめんなさい

みなさん

ありがとう


「A〜充電させてくれ〜」

やさしい笑顔をありがとう、ちあき。


「荻原さん、また行きましょうね。約束です。」

心のぬくもりをありがとう、てつや。


「Aっちだーい好きっス！」

まぶしい優しさをありがとう、りょうたさん。


「体は大丈夫なのか？体調が優れないのなら、今日の俺のラッキーアイテムでもやろうか？」

小さなしあわせをありがとう、しんたろさん。


「バスケだりぃぃぃぃぃ！まぁお前の為に行くけどな･･･」

純粋なゆうじょうをありがとう、あおみね。


「Aー。離れたくないー」

あまい時間をありがとう、あつし。


「A･･･すまない」

こちらこそ、すみません。ありがとうあかしさん。


「Aちゃん！！みてみて、テツくんの秘蔵写真っ」

かわいい青春をありがとう、さつきちゃん。


でも、わたしは･･･


やくたたずで、ごめんなさい。


あと一歩、それが足りないから。


その一歩をふみだせるように、旅を、してきます。


『ぐっぱい、しーゆー』


いつのひか、誰かのおわかれのとき口にしたことばがよみがえる。

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