くろこさん ページ21
星「あ・・・ぁ・・・」
尻餅をつく黒澤さんを唖然と見つめる僕。
まさか。僕までこんなことするなんて、僕自身思っていなかった。
自分の両手のひらを見て、動揺した瞳をして、はっ、と僕は気づいた
黒「すみませんッ!!僕・・・僕・・・ッ!!!」
そんな、日だった。
──────────
翌日、罪悪感が胸を蝕む感覚に見舞われながら学校に来た。
荻原さんは折り鶴を折っているようだ。せっせと折っている。
『ん、くろこさん、おはよう』
その優しい微笑みからは、僕の親友を彷彿とさせた。
黒「おはよう・・・ございます。」
荻原さんは、僕の親友、荻原シゲヒロと従兄弟だと言う。そういえば、そうだった。
『きょうね、わたし放送なの。ゆうひくんとでるから、たのしみにしててっ』
まぶしい。もしこんな笑顔が僕達バスケ部のもとに来てくれたら・・・
黒「・・・クス、しっかり聞いていますね。楽しみです」
なんだか元気が出た。
橙「おーい!Aー」
久しぶりの橙野さんとの会話に花を咲かせている荻原さんも、とても美しく輝いていた。のっそり歩いてるはずなのに、どうしてあんなに軽やかなのだろうか。
橙野さんの車椅子を押して二人でどこかに向かった荻原さん、やっぱり、似ている。
“星「てつきゅぅん!げんきだしてこ!きっとだいじょぶだよっ」”
あぁ、やめてください
“黒「・・・」”
その日は青峰くんと喧嘩して・・・
“星「青峰くんなんていなくても、黒子くんは大丈夫でしょ?大体青峰くんだってさぁ・・・」”
そう言って彼女が許せなくて・・・
“ドンッ星「きゃっ!!」”
両手で押して、尻餅をついた彼女を睨んで
“黒「うるさい!黙れッ!これ以上青峰くんをバカにするなッ!!!」”
怯えた瞳、震えた声、仲間達の視線。
覚えている。鮮明に覚えているんだ。
頭痛がしてその場にうずくまると、ふと
彼女の香りがした
『てつや、辛い?』
“てつや”
初めて呼ばれたその名前に、顔を上げると
『てつや、だいじょうぶ?』
心配そうな顔をした荻原さんだった。
黒「お、ぎわら、さ」
どうして荻原さんを見て思い出したのか、不思議に思う間もなく、結論は出ていた。
荻原さんは、荻原さんなら
ギュッ『ゎ、ど、どしたの』
許してくれると、思ったからだった。
ドサッ
『てつや・・・!?』
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つゆロロ(プロフ) - あひるさん» ありがとうございます。荻原ちゃんの楽器についてですが、お好きなものを想像してください(笑)私的にはバリトンやユーフォなどの低音楽器をイメージしておりますが。初コメントうれしいです!これからもどうぞ、見守ってくだされば幸いです((*_ _) (2017年11月20日 19時) (レス) id: 3fbfa2c7b2 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!因みに夢主ちゃんの楽器はなんですか? (2017年11月20日 1時) (レス) id: a0a203a011 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つゆロロ | 作成日時:2017年11月7日 0時