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ゆっくり話せるように私たちはベンチに移動した。
奥の方の茂みから出てきたウユを見て先輩は呟いた。
「ウユって名前もたぶん君が考えたんだよね。」
「…そうです、」
私の言葉を聞いて俯いてしまった先輩。
「誰かに話すことなくて、何から話したらいいか分からないんだ。」
「全然ゆっくりで大丈夫ですよ。」
しばらく沈黙が続いた。
ふぅ、と息をついてから先輩は重い口を開いた。
「…前向性健忘って知ってる？」
聞き慣れないその言葉に私は首を振る。
「…初めて聞きました。」
「そういう記憶障害があって、」
心を落ち着かせるかのようにまたふぅ、と息をつく先輩。
「僕もその記憶障害があるんだ。」
「…え？」
「日常生活動作とかそういうことは問題なく行えるけど、新しい出来事とか情報を覚えていられなくて。1週間ごとに忘れるんだ。」
今まで不思議に思っていたことを思い出した。
『…金曜日のことはもう覚えてないしいいよ。』
月曜日に先週のことを謝っても知らなそうにしていたこと。
『僕と関わっても良いことないよ。』
友達を作らないこと。
『…読み終えた頃には内容忘れるから。』
いつも同じ本を読んでいたこと。
メモ帳に書いてあった沢山の細かい情報まで。
疑問点がすっかり綺麗に繋がる。
「去年急にこうなっちゃったみたいで、それまでの記憶は変わらずあるけどそれ以降は毎週記憶がリセットされる。」
あまりにも衝撃的すぎて動揺してしまう。
今までそんな重い秘密を抱えながら生活していたなんて私は想像もしていなかった。
「だから僕は友達ができても1週間で忘れるんだよ。そんな友達、友達って言えるのかな？」
先輩から私の行動はどんな風に見えてたんだろう。
とても無神経だったかもしれない。
だけど私は。
「私は、それでも先輩と友達になりたい。」
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サンチュ(プロフ) - あのさん» わーコメントありがとうございます！ハオちゃんメインの作品少なめですよね！お褒め頂けて嬉しいです！そしてお優しい…さすがハオちゃんペン…😭これからも更新頑張りますので、あのさんも体調にはお気をつけ下さい！ (2022年12月3日 11時) (
レス) id: d50821326c (このIDを非表示/違反報告)
あの(プロフ) - コメント失礼します。ハオちゃんペンなのですが、占ツクにハオちゃんメインの作品が少ないな...と思っていたところでこんな素敵な作品に出会えてとっても幸せです❕最近は冷え込みが厳しくなってきていますが、体調にはお気をつけて更新頑張ってください🥺 (2022年12月2日 19時) (レス) @page39 id: 6565fe37a1 (このIDを非表示/違反報告)
サンチュ(プロフ) - 寿美?.*ﾟさん» 初めまして！コメント嬉しいです！ありがとうございます！更新を楽しみに過ごして頂けてるなんてありがたいお言葉…(TT)これからも頑張るのでよろしくお願いします〜！ (2022年11月26日 11時) (レス) id: d50821326c (このIDを非表示/違反報告)
寿美?.*ﾟ(プロフ) - 通知が来てすぐ読みに来ちゃいました！最近この話が更新されるのを楽しみに過ごしてますwwwこれからも応援してます！コメント失礼しました(*´∀｀*) (2022年11月26日 0時) (レス) id: 8356092332 (このIDを非表示/違反報告)
サンチュ(プロフ) - fuyu0526さん» はじめまして、コメントありがとうございます！好みにドンピシャだなんてお言葉嬉しすぎます〜！考察もしながら読んでくれてるんですね！更新頑張りますのでこれからも主人公とハオちゃんを見守ってあげて下さいませ( т т ) (2022年11月25日 23時) (レス) id: d50821326c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンチュ | 作成日時：2022年11月15日 21時
