BLACK TrackONE【4】 (ページ7)

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Side RED

「パパ！冷えぴた買ってきたよ！！」

ホテルの人に借りた体温計を返したあと、少しして、大我たちが帰ってきた。
樹は、コンビニの袋を渡してくれる。

「ありがとう、樹」

「部屋分けてもらえた？」

「いや、やっぱり空いてないみたい…ごめんね…
優吾も慎太郎も気にせず遊んで大丈夫だからね」

大我は残念そうにそうか、と呟いた。
大人気の大型連休。
6人で泊まれるダブルツインのこの部屋が取れるのは奇跡に近かったのに、もう一部屋は用意してもらえなかった。
最初から、2部屋取っていれば大我たちに迷惑をかけることもなかったんだけどな…

「……ごめ、なさ…い」

「いや。あ、…北斗は気にしなくて良いんだよ。
きっと濡れてたから、体が冷えちゃったね。」

冷えぴたを貼ってやる。
俺が樹に構っていたから、アトラクションが終わってからも俺のところに来なかったのは、自分は後回しでいいよって意味だったのかもしれない。

俺が大我に謝ったことで、余計に負い目を感じさせてしまったかもしれない。

夢の国のホテルなのに、Negativeなことが頭をよぎる。

「ほくと、ミッキーの冷えぴただよ！」

樹がツンツンと北斗のおでこいるミッキーを突いた。

「やったぁ、……にぃ、ありがと…」

甘えたときだけ、“にぃ”呼びの北斗。
樹は笑って洗面台に向かっていった。

どこにいたって、いつだって、
この子達は俺の夢なんだ。そう思う。

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Check outをすると、空には虹がかかっていた。

「…よかったら皆さんで1枚」

昨日、体温計を貸してくれた、ガタイのいいホテルマンの方が6人の写真を撮ってくれることに。

「ほくちゃん、ほら、おみみ、つける？」

「はぁっ、………はぁ、ちゅけるの…」

思ったより熱が高く、まだ治っていない北斗。
2日通してパークを楽しむ予定だったけど、今日は無理そうだから不機嫌で、ずっと抱っこしてる。
冷えぴたをしたままだけど、写真を撮るときぐらいはカチューシャをしてもいいよね。

「君が僕らのリーダーだ。」

ホテルマンの方は北斗のおでこを指差し、シャッターを押した。