BLACK TrackONE【4】 (ページ19)

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side BLUE

「はえーのな」

体育が終わってすぐに
教室に北斗の荷物と俺の弁当を取りに行ったのに
もう保健室にはいつもの奴らが集まっていた。

「Ahaha！渡り廊下、
ひとりで体育館行ってるの見えたからね」

「声デカっ北斗起きるだろーがっ！」

ジェシーにツッコミを入れながら着替えていると、シャーッとカーテンがひかれた。

「とっくに起きてるわ、うるせぇな…ｹﾎｯ、」

「北斗、ここ座んな。」

高地が隣を指すと、フラフラと椅子に腰掛ける。

「熱測る？」

「んーん。……どうせもう帰らされるから」

「そ。じゃ、食べよう」

きょもが声かけた通り、
やはり熱が出てしまった風だが、
本人はお弁当の蓋を開けたので、
喘息は少し良くなったんだろうと
俺も向かいに座った。

「いただきまーす！！」

「一口でけぇな！」

慎太郎は、どこかのハムスターのキャラクターみたいに口を膨らますので、ツッコむのが恒例になってしまった。

北斗が具合の悪いときは、必ずお弁当を保健室で食べる。
それは高地やきょもが提案してくれたことだった。

2人は3年生でもうすぐ受験だというのに、それを続けてくれているし、
もちろん1年遅れて入ってきたジェシーや慎太郎も
同じようにしてくれている。

6人で食べられるのは嬉しくもあり、限られたときなんだなとおせんちになる。

「無理すんなよ」

「ん、ｹﾎｯｹﾎｯ……ふぅ、だいじょぶだよ」

高地が横から声をかけても上の空な北斗が心配。
まるで口先だけで喋ってるみたいな。

いつになったら、こんな思いしなくなるんだろ。

＿＿＿＿

俺達が知り合ったのは、幼稚園のときだった。
北斗は体が弱くて、喘息のせいで外遊びができなかった。

『どうしておそとにいかないの？』

クラスの部屋で先生とばかり遊ぶ北斗がズルいとすら思っていた俺はそう聞いた。

『北斗くんは走ったりすると苦しくなるから、
先生とお部屋で遊んでるんだよ』

『……じゃあ、じゅりもそうする！』

始まりは多分、そんな感じだった。
北斗は覚えているか分からないけど。

『ほくとまたまけだよ！』

『じゅりはつよいね！』

最初はそれでも楽しかった。

だけどやっぱり。
暫くすると、走り回ってる皆が羨ましくなってしまっていた。

そんな時に限って、北斗は体調を崩して休んだ。
それも、一ヶ月ぐらい。