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Side YELLOW
「はぁっ、……ﾋｭｰｯ………ゲホッゲホッ！」
喘息の発作だ。
体が疲れているところに泣いていたし、想像以上にストレスを感じているのかも。
「ゆっくり吸ってごらん」
北斗の口に吸入器を当てる。
「う、…はぁっ………ﾋｭｰｯ、ひゅっ！ゲホッ！」
苦しそうなのにまだ泣いてるから、とりあえずおんぶして、車に向かう。
「すみません。ありがとうございました！」
学校から病院は近い。
救急車を呼ぶより早いだろうから、荷物をジェシー先生から受け取って、北斗を後部座席に乗せた。
「あ、北斗、……苦しくない？…よく寝てたね」
ゆっくりと目を覚ました北斗。
「あたまいたい…」
「熱中症だって。夏風邪も。
色々重なってしんどかったね。
…今度から学校、車で行こうね」
確かに暑い道のりは負担だろう。
甘く考え過ぎていたのかな。
「…北斗。
最近、喘息も多いから、熱下がるまで入院ね」
まだ熱があるからか、ボーッとしている瞳に眼鏡をかけてやる。
「いやぁ……ぅう、ほく、また…ｸﾞｽｯ
………病院やだぁ！…学校であそぶの……ｹﾎｯｹﾎｯ」
入院は慣れてるはずなのに、グズグズ泣いてしまっている北斗。
ベッドに腰掛けて、点滴が絡まらないよう気をつけながら、向かい合わせに膝に乗せた。
「……パパ、ほく、変なの？」
「ううん。変じゃないよ。
確かに、皆とは違うけど、皆一緒だったらつまらないでしょ？
……俺にとって、北斗は特別だし、北斗だけが持ってるものも大好きだよ。」
寝ている頭を撫でる。
白い髪をかき分けると綺麗な白い肌が見える。
「みんなといっしょがいいっ……ｸﾞｽｯ」
「……北斗、これ見て。」
スマホで、俺と北斗と亡くなった彼の母のスリーショットを見せる。
「目が、2つ。
眉があって、………鼻があって、口がある。
……それから、手があって。指が5つある。」
彼女のそれと、北斗のそれを交互に指差す。
「……そして、ここには心臓があって、生きてるんだよ。俺達。」
北斗の心臓の音を聞き、
そのあと、俺の胸に耳を当てさせた。
「あ、耳もあったね」
「ふたつ！ふふふ、おなじだね」
こちょこちょっと耳を撫でると北斗はくすぐったそうに笑った。
「みんなと違っても、良いんだよ。
北斗は北斗だから」
「……うん、わかった」
「ほんとかよ、笑」
数回頷く北斗。
今は、難しいかな。
でもきっと、北斗なら分かる。
そんな気がした。
Fin
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年9月3日 21時
