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Side BLACK
目を醒ませば、そこは見慣れた天井。
「………なんで…」
記憶を辿る。
あー。俺、やっちゃったんだ。
すこし体を動かしてナースコール。
すると黒田先生がやってきた。
「…気分はどうですか」
「最悪に決まってんじゃん」
視界に入った時計は開演時間を過ぎていた。
「…お客さんの前じゃなくて良かった。
顔のあざも、問題ないよ。商売道具が傷つかなくて良かった」
いたずらっぽく笑う先生。
俺は笑えなかった。
酷く体がだるい。
「出血が多くてかなり負担がかかってるから、しばらくお休みしようね。ほんとに毎度毎度…きっと大変だよ。皆も」
酸素マスクをしていてもすこし苦しいし、また俺はすぐに目を閉じていた。
「……ぁ、目覚めた？」
そこにいたのは、樹だった。
あたりを見ればみんなの顔も。
「迷惑かけてごめんなさい」
まずはそんな言葉が出た。
「今日のライブ、大盛り上がりだったよ。
どんなときだって“show must go on”だからね」
「…でも、」
やけに発音の良いジェシーから目をそらして怪我をしていない右腕で顔を覆う。情けない。
「ジャニーさん、そんな顔してたら、きっと怒るよ。笑」
高地が笑うと皆も笑っていた。
俺は顔見せてないのに。
「……追加公演が決まったんだよ。奇跡だと思わない？ジャニーズのタレントが総動員するってのにさ。スケジュール調整めっちゃ大変だったろうけど」
慎太郎の言葉に腕をどける。
「まぁ、これじゃ終われないっしょ」
京本もクスクス笑っていて、これはどうやらホントらしい。
そこでピコン！と鳴ったスマホ。
樹から受け取り覗くと
「……濱ちゃんだ(笑)」
“足を送ります”というメッセージ。
……やられた。
「今日、募金額も増えたらしいし、北斗いなかった分、チケットの払い戻しも可能だったけど、殆どの人が払い戻し無しだったって。そのまま売上は募金されるからね」
「そう、なんだ…」
ライブが出来るって、ほんとに奇跡なんだ。
夢を見ていた俺は、やっと目が冷めたような気がする。
一回一回を大切にしないと。
「…リハビリ、頑張るよ。」
ライブに穴を開けてしまうのは以前にもあったけど、病気をしてからはなんやかんやで初めてだった。
怪我のおかげで、大切なことに気付けたような気がして、すこし前向きになれた。
“どんなことがあってもショーは続けろ”
エンターテイメントの神様に教わったそのことを再確認した。
Fin
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H.M. - あーちゃんさん» ありがとうございます。年齢設定がしてあるようで表示されませんでした。【夢の中で】は読めないようなので【Rollin'シリーズ】のほうを楽しみにしていたいと思います。お手数おかけいたしました。 (2020年3月3日 11時) (
レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» 拍子ではなく、表示でした。失礼しました。よろしくお願いします。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» ←「あーちゃん」を開いて頂くと、私の作者ページに飛ぶと思います。そちらで拍子できない場合は、18歳以上の年齢設定をしてないと思われます。申し訳ございませんが、これ以上のお答えは出来かねますので、ご容赦ください。ありがとうございます。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
H.M. - 【夢の中で】をどうすれば読めるでしょうか?よくわからなくて… (2020年3月3日 8時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - y_さん» いつもご愛読、コメントありがとうございます（ ; ; ）またお楽しみいただけるよう頑張ります！ (2020年3月2日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年2月7日 16時
