____※ ページ5
side BLUE
｢…北斗だ｣
俺はすぐにスマホをスライドした。
隣のジェシーにごめん、と声をかけ狭い座席を通してもらう。
心配な顔で見上げてきた。
｢もしもし？どした？｣
通路を歩きながら少し小さい声で尋ねる。
車両と車両の間に立ち、ガタンガタンという音に思わずスマホを当てていない方の耳を塞いだ。
｢もしもーし！
北斗、ごめん、新幹線の中で、聞こえない｣
大きい声を出すけど、何も返答がない。
｢…え、北斗！？どうしたの！？
聞こえる？…おいっ、返事しろって｣
ドクンドクンと心臓が音を立てる。
これは聞こえないんじゃなくて、北斗何も喋ってないのか？
すると、かすかに
『…っ、ﾊｧｯ、じゅ、』
俺の名を呼ぶ声がした。
｢北斗っ！具合悪いの？！マネージャーさんは？｣
事務所の人が様子を見に行ってくれるって聞いてる。
北斗は絞り出すような声で俺を呼んでる。
『じゅ、り……っ、てぇーの』
｢えっ？なに？｣
『ぃたい、むり……っうっ、ごめ。』
今度はドタバタドタバタと音がした。
どこかに走ってる？
『んーっ、はぁ、じゅ、りぃ……たすけ、て』
｢北斗？北斗、しっかりしろっ
ドアガード、してねぇよな？
スグ誰か行くかせるから｣
俺は来た道を戻ろうとしたら、ジェシーが車両から出てきた。
｢ジェシーっ、北斗やばい！
誰も家にいないっぽい！誰が行くんだったの？｣
『…はぁ、はぁ、じゅり___________ﾌﾟﾂﾝ
｢えっ？なに、え！切れちゃった！｣
｢マジかよ？！………大我も出ねぇ｣
焦ってたジェシーも手当り次第、連絡の取れる人に連絡してくれる。
『ﾌﾟﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙ ﾌﾟﾂﾝ』
｢ほくっ『おかけになった電話は______』
俺は何度も北斗に電話をしたけど、出てはくれなかった。
｢…っ、北斗…｣
この暑いのに嘔吐や下痢に苦しんで、トイレの中に居るとしたら、…脱水症状？ 熱中症？
｢あーもう！お願い出てくれっ、｣
その叫びは、車内アナウンスで消えてしまった。
ジェシーも叫ぶ。
｢っ、大我！北斗が！
今マネージャーさん、渋滞で全然動けないんだって｣
何を話してるか分からないけど、繋がったらしい。
心配した俺らのスタッフさんも来てくれた。
｢地方について行ってるマネージャーも多いし、会食の準備にバタバタ追われてたんだと思うよ。
北斗くんにもLINEはしてたけど、読んでないかもね｣
目の前が眩むってこういうことか。
スタッフさんの話を聞いて、俺は頭を抱えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 480人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーちゃん(プロフ) - Sakuさん» お楽しみいただけて何よりです〜こちらこそ、ありがとうございます！LOCKLOCK続編もお楽しみに〜 (2019年10月13日 23時) (
レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
Saku(プロフ) - BLACK読ませていただきました！最高でした！ありがとうございます またたまにある黒田先生との絡み楽しみにしてますね笑 これからも無理なく更新頑張ってください！ (2019年10月13日 17時) (レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - ななさん» ありがとうございます〜♪はい！是非ともパート3でも遊びに来てください！嬉しいですー！頑張ります(^^) (2019年10月12日 7時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました。辛くて切ない中にも、みんなの優しさやあたたかさを感じられてとても素敵なお話でした。移行先でもあーちゃんさんの小説を読めるのを楽しみにしております。 (2019年10月11日 22時) (レス) id: e1e336f268 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - くりさん» ありがとうございます〜！けっこう難しかったですが、私も楽しみながら書かせてもらいました！またお願いします〜 (2019年10月8日 6時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーちゃん
| 作成日時：2019年9月20日 12時
