【感謝企画】黄さんと。 ページ37
Side YELLOW
「…おおっと、大丈夫?」
「はぁ、ごめん。……平気、」
車を降りようとしたらヘッドレストを掴んで逆戻りする北斗。
目眩が酷いみたいでぎゅっと目を瞑っている。
「……うぅ、…きぶんわる、……」
「吐きそう?」
「…はぁっ、だいじょぶ、だと思うけど、ちょっと、まだ、行けない…」
途切れ途切れの返事に心配になって
先にドアをあけて風を当ててやる。
「顔色悪すぎ。横になる?」
「いや、……はぁ、……ぅう。」
「北斗?…ほくと、!」
その瞬間、ずるずるずるっ、と椅子から落ちそうになる北斗を慌てて支える。
「おい、北斗、しっかりしろって」
「ハァッ、…はぁッ……はは、今一瞬とんでた……」
「笑い事じゃねえって。ちょっと後ろで横になろう。」
長椅子になっている後ろの席まで引きずるように連れて行って横にならせると、時折うなりながら腕で目元を覆っている。
「…はぁ、……ってぇ、」
「あたま?」
「…低気圧のせいだと思ってたけど、…貧血のせいかな」
だいぶ落ち着いて喋れるようになってきたものの、顔色は悪いまま。
確かに天気もいいとは言えない。
「あーぁ、最近調子良かったのに」
「…疲れが溜まってるんだよ」
なんて気休めにもならないような言葉をかける。
「…グズッ………っ、」
ぐすん?……鼻をすするような音と、スーハーと深呼吸する音。
「……こーち、先行ってて。」
もしかして、泣いてんの?
「…っ、…」
こちらに背を向けてしまった北斗。
…しばらく一人にしてやろう。
俺はひとり、車を降りて、あとはマネージャーにお願いすることにした。
今回のツアーは比較的体調を崩さずに乗り越えたけど、終わった途端にこれなら泣きたくなる気持ちも分かる。
きっと反動が大きいんだろう。
「あれ、北斗は?」
今日はダンスレッスンもするような大きな一室を借りていたが、樹を始め、みんな俺だけが来たことで察したみたいだ。
「とりあえず一旦車で寝かせてるけど…
今日のYouTube、体動かす系は難しいかも。
貧血でふらふらしてるから…さすがに怖い」
「そっか、…なんかトーク動画に切り替える?」
目の前に並べられた遊び道具たちを目の前に俺達は苦笑いをした。
慎太郎の言う通りにするのがいいかもしれない。
「…状態によっては休ませよう。ツアー落ち着いたんだし、いま無理してもいいことないから」
心も体も、休むことが必要なときもある。
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あーちゃん(プロフ) - マイラさん» コメント、ご愛読ありがとうございます🥰私にとっても大好きな作品なので、たまには更新できるように頑張りますね✨ありがとうございます! (2022年8月21日 11時) (レス) id: b62bd82bc0 (このIDを非表示/違反報告)
マイラ - Rollin'シリーズ大好きなのでたまに更新された通知がくると嬉しいです!!これからも楽しみにしてます。頑張ってください (2022年8月21日 0時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 佑妃奈さん» ご愛読ありがとうございました😳コメントとても嬉しいです💌はい!またフラッと更新しますので(笑)お付き合いよろしくお願いします✨ (2022年4月16日 15時) (レス) id: b3f31bb09f (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます😊気づくのが遅くなってしまいました(ó﹏ò。)💦💦また更新される時を楽しみにしてます!! (2022年4月16日 13時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - サンリオさん» コメントありがとうございます!またふらっと更新すると思いますので、今後も応援よろしくお願いします(^^) (2020年9月17日 8時) (レス) id: d58af8230a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちゃん | 作成日時:2020年6月18日 0時