【感謝企画】桃さんと。 ページ31
Side PINK
「…あれ、…北斗？」
先に帰ったと思ったはずの北斗の後ろ姿を見つけて声をかける。
「…はぁっ、…ﾊｧｯ、…はぁ、ひゅーｯ！」
「北斗！！」
トイレの床なんか大嫌いなはずなのに座り込んで、青い唇で胸を押さえている。
「けほっ、ｹﾎｹﾎｯ、…はぁっ」
「どうしたの！？」
「はぁっ、ハァッ！…ｾﾞｰｯ、…はひゅっ、」
手に持っているはずの吸入器をくわえずにいる北斗の背中を擦る。
力が入らず持てないのかと思い、「貸してっ」と奪って気付く。
残量を示す回数カウンターの数字が0になっている。
「っ！予備は！？」
フルフルと首を横に振る北斗。
「北斗！！…お、落ち着こう。
大丈夫だから、今助けを呼ぶから、」
ふっと力が抜けてこちらに体重をかけてくる北斗に、全く落ち着いてないのは自分で、震える手で救急車を呼んだ。
「降りてこないから心配になって、！」
その直後、だぁくんが慌てたようにやってくる。
先に駐車場に降りて車を回していたのに一向に来ない北斗を探しに来たところらしい。
「…救急車呼んだ。ごめん、」
「と、とにかく下まで運びましょう！」
「俺がおぶるから荷物持って！」
撮影所のビルに救急車だなんて騒ぎになるが、こればかりは仕方ない。
今、俺にできることは、一刻も早く、北斗を病院に連れて行くこと。
「…はぁっ、…………ﾊｧｯ、」
「北斗、…！」
北斗の力がどんどん抜けていって、落っことしそうになる。
「あぁァァもう早く！」
エレベーターに乗ると嫌なイメージがフラッシュバックする。
いつもいつも北斗ばかりが苦しくて、
俺は一人では何もできていない。
助けを求めて、誰かにすがって、
ぎゅっと腕に力を込める。
「…はぁっ、…ﾊｧｯ、ﾋｭｯ、けほっ、」
「とりあえず一旦車に乗ろう！」
駐車場についたものの、座らせるところがなく、
救急車の誘導はだぁくんに任せて、俺と北斗は車に乗り込んだ。
「うっ、…ｹﾎｹﾎｯ、…ぁ、ﾊｧｯ、くるし、しぬっ」
「大丈夫大丈夫、すぐ病院行けるから」
北斗の目から涙が溢れた。
抱き締めて手を握ると、酷く冷たく震えている。
意味があるのか無いのか分からないけど、毛布を膝にかけてやる。
何かできることを思いつくのはそれぐらいだった。
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あーちゃん(プロフ) - マイラさん» コメント、ご愛読ありがとうございます🥰私にとっても大好きな作品なので、たまには更新できるように頑張りますね✨ありがとうございます！ (2022年8月21日 11時) (
レス) id: b62bd82bc0 (このIDを非表示/違反報告)
マイラ - Rollin'シリーズ大好きなのでたまに更新された通知がくると嬉しいです!!これからも楽しみにしてます。頑張ってください (2022年8月21日 0時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 佑妃奈さん» ご愛読ありがとうございました😳コメントとても嬉しいです💌はい！またフラッと更新しますので(笑)お付き合いよろしくお願いします✨ (2022年4月16日 15時) (レス) id: b3f31bb09f (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます😊気づくのが遅くなってしまいました(ó﹏ò｡)💦💦また更新される時を楽しみにしてます！！ (2022年4月16日 13時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - サンリオさん» コメントありがとうございます！またふらっと更新すると思いますので、今後も応援よろしくお願いします(^^) (2020年9月17日 8時) (レス) id: d58af8230a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2020年6月18日 0時
