【ONE PIECE】紳士とお見受けする【ミホーク】

２９ ページ29

.



　翌日



ハリ「疲れた体に酒…かなり効いたみたいね」

ハリ「ミホークが休憩室に運んでくれたのよ」

ハリ「お姫様抱っこで…きゃっ！」



声だけでテンション高めなのが伝わる。

まるで恋バナを聞いた女友達の反応だ。



まさかワイン１杯で寝落ちするとは思わなかった。

せっかく晩酌に誘ってくれたのに。

乾杯した後の数分しか記憶がない。



ハリ「Aをお姫様抱っこしてるミホーク…カッコよかった」



ドラマや映画などでよくあるお姫様抱っこのシーン。

憧れる女性はいると思うけどあまり現実的ではない。

昨日のようなシチュエーションで採用されるのは大体おんぶだろう。



「人生初の経験なんですけど勿体無いですね…」

ハリ「勿体無い？」

「記憶にないのが…」

ハリ「目が見えるようになったらもう１回してもらいなさい」

「昨日は仕方なくなので…お願いしても断られますよ…」

ハリ「…仕方なくねぇ」



ハリ『Aを休憩室に連れて行くわ。ナリを呼んでくる』

ミホーク『必要ない』

ハリ『…わおっ』



















.



















　数日後



「ねぇ…またあの男がいたんだけど…」

「マジかよ…諦めてないんだね…」



厨房に向かう途中。

休憩室から聞こえてきた従業員の声。

深刻そうな声のトーンに思わず足が止まる。



「ミホークに言われたのに懲りてないのね…」

「Aちゃんが盲目なのをいい事に…」

「出禁になったから店の外からAを見て…」



まさかの内容に心臓の鼓動が早くなる。

あの男…ジェイが店の外を彷徨いてるなんて。



「どうしよう…どうしよう…」

ハリ「A…こんな所でどうしたの？」

「ハリさん…怖い…」

ハリ「えっ…」



.

３０→←２８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す