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「お食事を持って参りました」
「ありがとうございます…」
私の名前は岸本A。
年齢は３０歳。
ごく普通の会社員である。
「女神様のお陰で今日も花達が生き生きしています」
そんな私がここでは女神様として崇められている。
「だから女神様じゃないって…」
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私がこの島に来たのは３ヶ月前。
目が覚めると見知らぬ場所で大勢の人達に囲まれていた。
「…女神か？」
誰かが言った。
それに続くように「そうかもしれない」と誰かが言った。
なぜ女神だと思ったのか。
それは私の登場の仕方に問題があった。
この島の村長の屋敷で会議をしている最中。
部屋に突如出現した謎の光。
光が消えるとそこに倒れていたのはまさかの私。
ただでさえこの状況に混乱してるのに。
追い討ちをかけるように浮上した女神説。
するとそのタイミングで雨が降り出した。
「雨だ…」
「嘘だろ…」
「雨が降った…」
窓から外を覗く人達。
喜びのあまり泣き出す人までいる。
どうやら日照り続きで作物が育たなかったようだ。
「やはり彼女は…」
「あぁ…間違いない…」
外を見ていた皆の視線が私に向けられた瞬間。
私は得体の知れない恐怖を抱いた。
「女神様…」
その後、島民達にとって幸運な事が続いた。
村長の奥さんの病気が完治したり。
遭難していた島の漁師が帰還したり。
彼らが私を女神と信じ込むには十分な出来事だった。
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作者名：トモ | 作成日時：2023年1月27日 16時
