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私はスマホに保存してある写真を見せた。
写真に写っているさまざまなもの。
2人にとっては珍しい代物…風景ばかり。
唸りながら写真を見ると言う予想通りの反応だった。
手ぶらだったら即牢屋行きだったのだろうか。
格好だけ見たらただの変わり者。
私の言葉だけで信用してくれたとは思えない。
未来から来た人間だなんて言ったところで。
「はぁ…」
ため息ばかりで何も言葉が出てこない。
ぽたぽたと畳に落ちる涙。
30歳と言ういい大人もこんな状況に直面すれば泣く。
学園長「A…と言ったな?」
「はい…」
学園長「お前に対する疑念は晴れた」
「ありがとう…ございます…」
学園長「ここ…忍術学園に住む事を許可する」
「えっ…」
少し俯き気味だった顔を上げると。
穏やかな表情の学園長先生と目が合った。
学園長先生と言うのは名前ではなく敬称。
ここは何かしらの学校かもしれない。
そう思ってはいたけど…まさか忍者の学校だとは。
確かに…忍者がいてもおかしくない時代だ。
「私…ここにいて…いいんですか…?」
学園長「未来の珍しいものを見せてくれた礼じゃ」
トリップが避けられない運命だったのなら。
せめて出会う人に恵まれたいと誰もが思うだろう。
室町時代に来てしまったのは不運。
ただ場所だけは幸運だったと思いたい。
そう思わないとやってられない。
「あの…私の事は…」
学園長「ここにいるわしら3人だけの秘密じゃ」
伝蔵「生徒達を不安にさせない為だ…気を悪くしないでくれ」
「その懸念は当然です…むしろ秘密にしたいと思っていたので…」
伝蔵「そうか…ならよかった」
私の素性がバレた時の周りの視線を想像するだけで怖い。
学園長「お前が10歳から15歳の歳なら生徒として置くが…」
伝蔵「30歳…教師として住み込みで働いて貰うのがいいのでは?」
学園長「そうじゃな。よし…Aはわしの友人の娘と言う事にしよう」
伝蔵「出身は?」
学園長「実際の出身地を言えばよい」
私が忍術学園で肩身の狭い思いをしないように。
学園長先生の友人の娘としてくれた。
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トモ(プロフ) - あやめさん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです! (2月13日 14時) (レス) id: d8a4df2af1 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - ラスト最高でした! (2月13日 8時) (レス) @page47 id: 5cdd342b42 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 里奈さん» お気に入り登録して下さってありがとうございます!嬉しいです! (2月12日 23時) (レス) id: d8a4df2af1 (このIDを非表示/違反報告)
里奈(プロフ) - すぐ、お気に入りに入れました!続き待ち遠しいです! (2月12日 21時) (レス) @page39 id: 2232b72d5c (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - あやめさん» 嬉しいです!ありがとうございます! (2月12日 7時) (レス) id: d8a4df2af1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トモ | 作成日時:2025年1月19日 21時