朱龍の血を引く少女は「高華の獅子」2

78話 テヨン ページ31

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へ「なーかが良いねぇ」





ヘンデの声が聞こえ、お互い瞬時に身体を離した





二人揃って両手をあげたまま飛び退いた様子は可笑しかったらしく、ヘンデとテウがケラケラ笑う





ハ「………お前ら何処に逃げたかと思ったら……」





ヘ「おっと、覗くつもりはなかったんだよ」





ハ「覗くつもりがあってたまるか！」





ダーッと駆けて行ったヘンデをハクが鬼神のごとく追いかける





テ「………置いてかれた」




『安心しろ。私が君をボコしてあげよう』




テ「げっ、勘弁してよ」




『三秒待とう。イーチ……』





ターッと廊下を駆けて行ったテウを見届け、クルッと背を向けた





……走ったらあのお婆さんに殺される





身の安全を優先し、テウを見逃した





さてと、姫様を探すか





………嫌、姫様って言ったらマズイのか？





さっき、お婆さんとの会話ででたリナという人物はもしかしたら………





考え事をしたせいで、周りを見ておらず、角を曲がってきた子供と衝突した





あまりに軽い感触に驚きつつ、子供と皿の乗ったお盆を受け止めた





？「わっ、ごめんなさい………うわぁ、お盆がない！！」





慌てて周りをキョロキョロする子供をつい、笑ってしまった





気分を悪くしたのか、子供が口を尖らせる





？「笑わなくてもいいじゃんか！」




『ごめんごめん！つい貴方が面白くて』





右手で受け止めたお盆を差し出すと、途端にビックリした顔をした





？「うわぁ、すごいや！俺もお盆も受け止めたの？」




『ごはんを無駄には出来ません！』





わざとらしく胸をはって見せた




子供はクスクス笑いながら小さな手でお盆を受け取った





？「あ、もしかして兄ちゃんのお客さん？」



『ニイチャン？』





誰だそれ




そんな変な名前の知り合いはいない！





『多分……違うと思うけど……君の名前は？』




？「俺はテヨン！ハク兄ちゃんの弟だ！」




『ハクの弟！？！？』





鈍器で頭を殴られたかのような衝撃を受けた




あ、あのハクの…………




でかくて、凶暴で、恐ろしいく、……男前のハクの弟が




こんな小さくて、目が大きくて、可愛い子だなんて………




『…似てない』




テヨ「うん、血が繋がってる訳じゃないからね」




『ん？』




いきなり入ってきた情報に混乱した




それは相当だったらしく、お盆を持ったテヨンを抱えたまま、立ち上がる程だった




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