【歌い手】ヤンキー少女、拾いました。【luz】 (ページ17)

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第13話ページ17

プロポーズ…

されちゃった…

「どうしよう…」

96「どうするもなにも…返事出すしかないやん？」

そう…だよね…

96「あともうちょっとで1ヶ月やし…流石にこれ以上待たせるんはな…」

そう、夏目の言う通り、私が光にプロポーズされてから、ずっと待たせた。

1ヶ月…

プロポーズされてからは、スキンシップやらいろいろ増えた。

96「A的にはどうなの？」

「どうって？」

96「好きか嫌いか。」

「えぇー…」

なんとも大雑把な…

96「じゃあ、離れたい？離れたくない？」

「…離れたく…ない…」

唯一見つけた私の居場所…。

96「じゃあもうそれでええやん。」

「で、でも…」

96「あっ…」

「え？」

96「い、や…な、んでもらあらへんよ。」

私を見て驚く夏目。

なんだ？

96「えぇわ。じゃあ、光見てるとどう思う？」

「ドキドキする。」

l「それ、ほんま？」

「うわぁ！？」

急に後から声をかけられた。

夏目がびっくりしてたのこのことだったのか…

96「その気持ちがあるんだったら、伝えるべきだよ…」

「わ、分かった。」

l「さ、帰ろ？」

「うん。」

気持ちを伝えるべき…

光は…本当に私でいいのだろうか…。

l「さて…」

いつの間にやら家に付いていたようで、光は振り返って私を見ていた。

l「夏目と話しとったこと…ほんま？」

「本当…」

顔を直視できずに少し下に逸らす。

l「なら、僕と結婚してくれへん？」

「付き合ってもないし…それに、私じゃ…光は後悔する…」

l「付き合うてるかなんて関係ないやん。それに、後悔なんて1ミリもせんよ。せやから…」

膝まづいて、私の手を取り自身の額へ当てる光。

l「せやから、僕の…僕だけのものになって…」

言葉が出ない…。

光を怒りたい訳でもなくて、困らせたいわけでもなく、悲しいわけでもない…

なのに…どうして…

どうして…

涙が出るの？

どうして溢れるの？

悲しいわけじゃないのに…

l「泣かへんで…」

私の頬に手を当て、親指で涙を拭う。

悲しいという感情じゃない…

そっか…私…

嬉しいんだ…

「うぅ…もぅ…」

l「返事、聞かせてくれへん？」

「頑張る…。私…頑張るからぁ…ｸﾞｽﾞｯ…こんなガラクタで良ければ、貰ってくださぃ…」

l「うん…。ガラクタだって言うなら、僕が素敵なオルゴールに変えてみせるから…。」

こんな幸せで、私は恨まれたりしないだろうか…。