【H×H】イルミと結婚したい情報屋。2

63日目。 ページ32

「つらい……現在進行形でしんどい」

「さっきからそれしか言ってないね」

「まじでつらいししんどいんだよー……こうさ、何か大きい嫌なことがあったわけじゃないけど、小さいモヤモヤが積み重なってしんどいというか」

「急に愚痴られても困るんだけど」

「具体的に言うと人間関係のしんどさ」

「じゃあそいつのこと捨てちゃえば？」

「？！」

「仲良くなろうとするから悩むんだろ」

「それが出来ないから困ってるんだよー……こう、ジワジワは仲間はずれになってるような気がするというか」

「仕事仲間と？」

「そう」

「……」

「ちょっとそんな心底哀れんだ目で見なくても」

「哀れだからね」

「えぇ〜……」

「家族でもなんでもない相手なんだから気にする必要ないでしょ」

「でもさあ」

「そもそも情報屋なんてやってる時点で裏業界の仕事だし、お前、少し前に情報屋仲間を完全に信頼はできないとか言ってなかった？」

「ま、まあそうなんだけど。それでも軽く飲みに行ける程度の友だちではいたい」

「……」

「自己中なのは分かってるんだけどさあー！私やっぱり寂しいんだよ、一人で生きていけないってのがどっかあるんだと思う。まあ今はイルミがいてくれるしいいけど」

「帰っていい？」

「わー！！待って待って帰らないで」

「……はぁ。言っとくけど」

「うん？」

「去る者を無理に追わない方がいい」

「え」

「適度な距離を保ちつつ、様子を見ながら、色んな人間を利用すればいい」

「……」

「追いすぎると嫌がられるよ。付かず離れず、安心させる距離と慢心させる距離を履き違えないことだね」

「そ、そっか」

「そ。精々苦労すればいいよ」

「あ、あの、それってさ、イルミの実体験？」

「は？」

「えっ」

「そこの本に書いてあったのを読んだだけだけど」

「まじかよ」

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