【H×H】イルミと結婚したい情報屋。2

60日目。 ページ29

「イルミー結婚しよう！！」

「いいよ」

「えっ」



♢



「……という夢を見たんだ」

「あー、そう」

「これもしかして正夢ってやつじゃな」

「安心して、違うから」

「せめて最後まで言わせてくれませんかねえ」

「無理」

「安定の即答ね！まあ実際いいよって言われてもちょっと困るんだけどね」

「は？」

「いやあの、心の準備とかが……ほら私、断られるのに慣れてるから！あっ自分で言ってて悲しくなってきた」

「断られるのに慣れるとか聞いたことないよ」

「私もない」

「だろうね」

「普通さ？！報われるものじゃないのこういうのは？！」

「そんなことないと思うけど」

「なんかずっと一途に思い続ける系ヒロインはさ」

「君自分のことヒロインだと思ってたの？」

「え？！」

「どう考えてもモブだよ、それかギャグ漫画のオチ担当」

「うるせえ実際はお前が結構オチ担当なとこあんだよ」

「は？」

「なんでもない」

「まあそれにしたってヒロインはないよ、あったとしても、その場合主人公が別の人選ぶんじゃない？」

「えー、イルミの口から聞くと結構きついよそれは」

「……俺は主人公でもないしね」

「えーいやいや、よく考えてみなよ？！暗殺一家の長男で黒髪ロングさらっさらとか、漫画のなんか、主人公の師匠役とかで出てきそうじゃない？」

「それ主人公じゃないじゃん」

「やべえミスった」

「君って頭弱いよね」

「うるさいな」

「そんなんで情報屋儲かるの？」

「お静かに！なんか最近イルミがものすごく頻繁にくるせいか段々客足が減ってきてる気がするんだけど」

「俺のせいにしないでくれる？明らかに君が仕事が出来ないのが悪いんだから」

「仕事はそれなりにやってますー！！いや、そうじゃなくてほら」

「ん？」

「イルミと私が取り込み中だと思ってる人たちがさ、あっ……順番まだかかりそうだし他のところ行こう、とかそういう感じで店の前を去っていくのが時々見える」

「それ俺に関係ある？」

「大アリだよ！むしろ今の流れでなんで関係ないと思ったんだ」

「……？」

「小首を傾げないでよ可愛いな好きだ！！！」

「あっ」

「え？」

「なんか君見てるとさぁ、オチ担当なだけじゃなくて当て馬役も兼ね備えてそうだなあって」

「うわあつらい」

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