54日目。 ページ22
「なん、でだろう、考えたことなかったです」
「……そっか。でもさ、そこまでいったら理由なんて一つしかないよね」
「?」
「見ようによっては物凄く単純な答えじゃない」
「いや、ええと」
「気づいてないのはさ、何も君だけじゃないんだ。イルミ=ゾルディック本人も分かってない。
……最大のヒントを出すよ。
イルミはさ、君のことを失いたくない、って思ってるんじゃない?それもかなり強めに」
「……え?!」
「これは答えじゃなくてヒントだよ……ってもうそれが答えみたいなものか」
「うーん???」
「……はー、君ってほんとに頭悪いね」
「ぐうの音もでないでやんす」
「もう一回最初から言うよ?」
「お願いします」
「イルミ=ゾルディックは家族以外への愛情、どころか責任感をあまりもっていないだろ。
だから、それ以外の人間には、自分が原因で被害が及ぼうが普通は放っておくはずだ。
ましてや、助けたところで大した利益にもならない君に手を貸すなんて、普通ならありえない」
「ぐっ」
「じゃあなぜ助けるか?
詳しくはわからないけど、少なくとも君に死なれたくないと思ってるからだよね。でも、少し感情が揺さぶられたからって、あいつはそうそう動かないよ。つまり……」
「強く思っている、と?」
「そういうこと」
「い、いやでも」
「そして、失いたくないということは、つまりどういうことかわかる?」
「え、えーっと、口に出すとかなり自惚れてしまいそうな気がしてるんですけど」
「それだよ。今考えられる答えの中で一番単純だろ?」
「ま、まあ……確かに」
「でしょ?後は自分で考えて。……ほら、後ろ」
「え?……あっ」
「……」
そこにはいつもよりもどこか不機嫌そうなイルミが居た。
いつから居たんだろう、手こずっていたんじゃなかったんだ。
思わずぼんやりと見ていると、彼は「帰るよ」とだけ言ってくるりと背を向けた。
「あっ、えっ、待ってイルミ!シャルナークさんありがとう!またよろしくお願いします!」
「はいはい、できればもう二度とよろしくしたく無いけどね」
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バナナ - とっても最高でした!!有難うございます!!更新待ってます!! (2022年9月20日 2時) (レス) id: e7b90db1c1 (このIDを非表示/違反報告)
どらやき(プロフ) - 孤歌さん» ありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです……!これからもよろしくお願いします! (2018年7月3日 23時) (レス) id: a2747e3aed (このIDを非表示/違反報告)
どらやき(プロフ) - みーたんさん» コメントありがとうございます!ぜひ続編でもお付き合いいただけると嬉しいです! (2018年7月3日 23時) (レス) id: a2747e3aed (このIDを非表示/違反報告)
孤歌(プロフ) - 初めまして凄く面白いですね!更新待ってます(゜∇^d)!! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 5a595ce298 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 一言で言うとやばすぎますね (2018年6月24日 20時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どらやき | 作成日時:2016年1月24日 18時