第二十四話【核心】 ページ25
しのぶは勝己の背中が見えなくなるまでその場を動かなかった。
勝己の言葉に呆然としていたとも言ってもいい
そうして、見送った後しのぶは猛スピードで駆けてくる気配を感じ取った。
｢私が来た！！｣
オールマイトだ
何故、オールマイトがここに居るのだろう
取材陣に囲まれていると踏んでいたが、読み違えたか
思考を巡らすしのぶにオールマイトが話す。
｢取材を抜けるくらいワケないよ｣
随分と落ち着いた声音で言ったオールマイトの言葉に
しのぶは顔を上げた。
心を読まれたと思うほどにその言葉は先程しのぶが考えていた事の答えだったから……
｢君があの後すぐに消えたのは取材陣に囲まれることを危惧しての事だったんだろ？｣
オールマイトはトゥルーフォームに戻り、しのぶに問い掛ける
全くもってその通りだった
あの場に長く居ると確実に取材陣の餌食になる。
また勝手に死地に飛び込んだのだ
ヒーロー達に怒られることは目に見えていた。
｢取材されるのは光栄な事だ。多くの人に自分の存在を知ってもらえる。アピール出来るからね。｣
オールマイトの含みのある台詞にしのぶは顔を崩さずに聞く。
｢オールマイト、一体何を仰りたいのですか……｣
しのぶの声は自然と険しくなり警戒を強める
｢取材は皆に存在を知ってもらえる。その代わり目立つ事になる。自分の情報が出回ってしまう。君はヒーロー志望だろう。｣
オールマイトにしのぶはヒーロー志望だと述べた事は無い
だが先程の敵の闘いでオールマイトは気付いたのだろう。
｢なら、アピールすることは重要だ。ヒーローは支持が無ければ成り立たないからね。｣
オールマイトは重要な部分には触れない
恐らく、しのぶの動揺を誘っているのだろう
動揺は冷静さを失うと言っても過言では無い
冷静さを失えば何を口走るか分からない。
けれど、しのぶは動揺を表に出す事無く表情を保つ。
いくら話を延ばしても動揺を見せないしのぶを見てオールマイトはため息を付く
どうやら根負けしたらしい。
｢君は多くの人に自分の存在が知られることを恐れているんだろう｣
オールマイト核心を突いた言葉を放つ
多くの人間に己の存在が認知されれば自分の秘密に気付く者が現れるかも知れない
それ故、しのぶは早々にあの場から退散したのだ。
｢きゲボォッ！！！｣
その後、オールマイトは何かを言いかけ唐突に血を吐き出した。
それを見たしのぶは苦笑し話掛ける。
｢オールマイト、上がって行かれませんか？｣
終わり←第二十三話【屈辱】
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ムツキ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！！ (2022年12月14日 17時) (
レス) @page25 id: b50fa5a21f (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 面白いです！！続きを待ってます^^* (2020年6月9日 2時) (レス) id: 1862683d0e (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃる - 早く続きが読みたいです〜(´・ω・｀) (2020年4月13日 23時) (レス) id: 0104fff50a (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - はい(≧▽≦) (2020年2月28日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
Chess - ありがとうございます!とても嬉しいです!更新は今頭の中でこねくり回してるので待っていて下さい(；´Д｀)更新する気は滅茶苦茶あります!!落ち着いたら亀更新再開しますので気長に待っていただけたら幸いです！！！ (2020年2月27日 23時) (レス) id: 1b7412e958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chess | 作成日時：2019年8月13日 1時
