欲しいものは ページ24
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意識が浮上した中で聞こえるのは、エアコンの音とシャープペンが紙越しにテーブルを叩く音。
甘い香りを吸い込みながら目を開けると、クリーム色の髪が見えた。
こちらに背を向け、テーブルに向かって手を動かしている。
「ふわぁ……、ふ」
あくびを１つ。
それからAは瞬きを繰り返し、身を預けていたベッドから降りた。
膝をつきながら這うように目的の人物へと近づく。
「かーつーきくーん。課題は終わ……ってないね」
背後から腕を回して広い背中に抱きつく。
レポート用紙を覗き込んで進捗を尋ねたが、見たところまだのようだった。
真面目に課題に取り組む姿を見られるのが嫌いな爆豪は、みんながいる共用スペースではなく自室でレポートを進めていた。
相手にしてもらえないAは、まだかまだかと待っているうちに眠ってしまったのだ。
「もう少し待ってろ」
「……はぁい」
首筋から肩に繋がる部分に頬をつける。
Aがくっついても、爆豪は文句を言わず書き進めた。
「ねぇ勝己君、何か欲しいものはない？」
「喉渇いた」
「そうじゃなくて……」
Aは爆豪に新しく与えられたカーディガンの温かさを感じて目を閉じる。
爆豪の腹の前で絡めた手に力を込めた。
「私だけ、こんなに色々もらっちゃって申し訳ないなって……」
「あ？」
「だから、私からも勝己君に何かあげたいなぁー……って」
「……」
「ん？」
爆豪が体を捩るのを感じてAは手を緩めた。
がっしりとした両手が横腹を掴み、逞しい筋肉がついた腕でAの体を持ち上げる。
横抱きに座らされたのは、胡座をかいた爆豪の足の隙間だった。
「勝己く──」
顔の位置が近くなったと思たら唇が重なった。
するりと舌が侵入して口内を蹂躙する。
「……ん、ふっ、ぁ……」
夢中で唇を貪る爆豪に、Aはついていくのに必死だった。
呼吸のタイミングが掴めず、息を乱す。
「はぁ……、ん、あふ……っ、はぁ……ぅ」
唇を離した爆豪は熱い眼差しでAを見下ろしていた。
「欲しいっつたらくれるんか？」
「……え？」
「卒業までお預けなんだろ。それとも、もう気が変わったか？」
「あぅ、それは……」
まだ無理……と首を横に振ると、頭に手が置かれた。
「じゃあ、今はこれで我慢してやる」
卒業したら覚悟しとけとよ……──と、また唇を塞がれた。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
