母親と娘と ページ22
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心積もりしていたことが不要となり、気を抜いたところで会ってしまた。
このどうしようもない気持ちを抱えながら、爆豪は恋人の母親と向かい合っていた。
「やっぱりあなたが爆豪君だったのね。“ツンツン頭の赤い目”ってことしか情報がないから」
合ってて良かった。
と、目の前にいるのが爆豪と確認できたところで、轟母は「Aったらね……」と、娘と息子について話しはじめた。
それに対して爆豪はただ相槌を打つだけ。
しかし、その中で一番困ったこと。
なぜか轟母は爆豪と轟が“仲が良い”と勘違いしている。
これは多分、Aの伝え方に問題があるのだろう。
この勘違いを訂正すべきか、今一番の悩みどころであった。
「勝己君、ごめ〜ん。カーディガン、お母さんのところにはなかった……って────ええ！？」
長いような短いような時間を体感していると、背後からAの声が聞こえた。
Aは爆豪の向かいにいる人物を見て驚いていた。
「お母さん、なんで私のカーディガン着てるの！？」
「驚くのはそこじゃねぇだろ！」
いつもの調子で大声を出してしまい、周囲の注目を引いてしまった。
Aに「病院だから静かに」と注意されて腑に落ちない表情を浮かべる。
そんな２人のやりとりを見ていた轟母はくすくすと笑っていた。
そんな仕草も本当に娘そっくりだ。
「部屋の外に出るのにちょうど良いと思って借りたの。取りにくるなら来週かなって」
「部屋の中、すんごく探したんだからね！」
Aは母親に近づき文句を言う。
「着心地いいわね、これ」
「でしょ？ 私も気に入ってるの」
「これ、私に譲ってくれない？」
「え？」
母親は袖を頬にあてて、ふわふわと柔らかい生地を堪能していた。
「欲しいなら同じの買ってくるけど？」
「新品じゃなくて、着慣らした方が好きなの。ダメ？」
首を傾げるその仕草も本当にAそのものだった。
A本人も母親に似てると言っていたが、ここまでそっくりだとは。
Aは「う〜……ん」と困ったように唸った。
母親の願いも叶えてあげたいが、カーディガンを手放したくないというふうだ。
Aの中で母親はとても大切な人間。
自分が選んだカーディガンかそれと同等に並び立っているのことに、爆豪は少なからず喜びを感じた。
だから──、
「いーじゃねーか。譲っても」
そう提案した。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
