父親の話２-緑谷出久- ページ18
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『プロポーズ』なんて言葉は、学生である緑谷出久にとってまだまだ先の人生で耳にする話題だ。
想像以上にすごい話が出てきて驚きを隠せない。
「どど、どうしてそんなことに？」
問いかけるとAは「ん〜とねぇ……」とアイスティーを飲んでいたストローから口を離した。
「怪我をしたお父さんが心配で九州の病院に会いに行こうと思ったの。で……──」
爆豪と一緒に父親に会いにいったというところから、順を追って話しはじめる。
事件があった翌日に行動を起こすAもだが、それを見抜いてついて行く幼馴染みにも感心を寄せた。
涙を流しながらテレビを見るAを抱き寄せる爆豪の姿は、誰の目から見ても“彼女を守ろうとする彼氏”だった。
Aがプロポーズを受けたときも相当ブチ切れていたと言う。
さらりと惚気られた。
「会ってすぐにプロポーズとか……本当、色々と早いね」
「冗談だと思うよ。でも私のこと大学生だと思ってたみたい。失礼だよね」
「Aさん、大人っぽいから……」
大きいリボンをつけていた時は高校生より少し幼く見えていたが、ネクタイに変わった今は大人びて見える。
(女の子は小物１つで印象が変わるもんだしなぁ……)
Aのスマホから着信を告げるメロディが鳴った。
カーディガンのポケットから取り出して画面を見る。
「あ、勝己君だ。緑谷君、ちょっとごめんね」
「え？ あ、どうぞどうぞ」
断りを入れてAは通話に出た。
「もしもし勝己君？ もう終わったの？ 早いね。……あ、休憩中？」
現在、仮免の補講を受けている爆豪からの電話だ。
「お父さんが来てる？ あはは、それは大変だね。え〜〜……どうにかしろって言われても……」
緑谷はドキドキしていた。
Aと２人きりでいるなんて知られたらなんて言われるか。
爆破つきの罵倒は免れない。
「今？ 今ね、緑谷君と２人でお茶してるの」
「え……！？」
「だから邪魔しないでね〜。じゃ！」
──と、Aは元気よく通話を切った。
ついでに電源を落としたのも目に入った。
「ごめんね緑谷君、さっきの話の続きなんだけど」
「え……！？」
Aは何事もなかったかのように会話を再開した。
たらたらと嫌な汗が流れ出る。
一番恐れていた事態が発生した。
話の内容なんて頭に入ってくるわけがない。
……とりあえず、爆豪からの着信が鳴り続けるスマホの電源を切っていいですか。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
