父親と質問 ページ15
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──“君にとっての一番のヒーローは誰だ？”
現在のＮＯ.１ヒーローが真剣な眼差しで爆豪に問いかけた。
「……、」
質問を受けた爆豪がぐっと身を固くしたのを、隣にいたAはかすかに感じとった。
ここで答えを間違えれば、父親の爆豪に対する心証は最悪のものとなる。
すでに良い印象は持たれていない。
もしかしたら交際を反対されるかも。
Aはハラハラと見守ることしかできなかった。
「俺は……」
やがて爆豪は口を開く。
まっすぐにエンデヴァーを見据えて。
「俺は……、物心ついたときからオールマイトに憧れてた」
「……」
黙って答えを待っていたエンデヴァーの顔つきが険しいものとなる。
ピリピリとした空気が病室を包んだ。
昔からオールマイトに対抗心を燃やしている父親は、その答えを一番嫌うだろう。
たゆまぬ努力を積んで、届きそうで届かない彼の背中を追いかけて。
己以上に優秀な子供を作ってまでして越えようとした、未だ人々の心に残る大きな存在。
威圧的な視線を向けられてもなお、爆豪は言葉を止めなかった。
「ずっと……ずっと憧れだった。いつかはオールマイトを越えるヒーローになるって。それだけを目指して。だから、俺は……、俺にとっての一番のヒーローは──……」
──オールマイトだ。
嘘でも“エンデヴァーだ”と言ってしまう場面で、爆豪は正直に答えた。
己を飾らずにまっすぐに向き合うその姿に、Aは微笑んでみせた。
ああ、だから私はこの人が好きなんだ……──と。
たとえ父親に交際を反対されようとも、彼と一緒にいたいと一層思えた。
ぎゅっと手を握れば爆豪も握り返してくれる。
そんな彼が大好きで。
微笑み返してくれる彼が愛おしくて。
見つめあう２人を、包帯から覗く碧の瞳でエンデヴァーは静かに見つめていた。
「……爆豪君」
「はい」
重々しく名前を呼ぶエンデヴァーの声に爆豪は視線を合わせて応える。
「……、……」
厳しい表情のまま、何かを言いたそうに口を開いては閉じ……を繰り返す父親。
その次の言葉を待った。
「娘を……、Aを大切にしてくれると約束してくれるか？」
「……命に代えても」
父親の言葉に、爆豪は誓いを立てるように──……２人の間でしっかりと繋がれた手を、恭しく前に出して宣言してみせた。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
