雪と炎のシンフォニー２【爆豪勝己】 (ページ4)

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衝撃ページ4

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体育祭は昼休憩に入って、ニュースに切り替わった。
姉はリモコンのボタンを押して次に進める。

切り替わった画面には、レクリエーションの様子が映りだされた。
それでなによりも気になったのは、Ａ組女子の格好。

「……なんでチアガール？」
「あら、可愛い。Aのクラスはしなかったの？」
「さあ？」

うなだれる八百万と彼女を慰める麗日。
ポンポンを地面に叩き付ける耳郎と、その後ろで飛び跳ねているであろう葉隠れ。

最終種目にばかり気をとられていたAは、こんなことが行われているなんてまったく知らなかった。

そして一番の見せ場であるトーナメント。
緑谷と心操という普通科の男子の試合が終了し、焦凍とAの試合がやってきた。

飛ばして欲しいとお願いしたが、リモコンを握る姉は「だ～め！」と聞いてくれなかった。

轟と轟という組み合わせはかなり注目を集めていた。
一回り上の世代は２人がどういう関係なのか知っている上、中継画面に出ているテロップには『轟兄妹の対決！！』と文字が打たれていたので当然だろう。

スタートの合図から動かない２人。
テレビでは会話は拾えていなかった。

「ねえねえ、この時って何を話してたの？」
「棄権しろって説得されてた」
「あ～……」

数分後、焦凍の容赦ない氷づけに「うわ～～」と声を漏らす冬美。
しかし、その表情はすぐに驚きへと変わる。

猛々しい炎を生み出した画面の向こうの妹を食い入るように見つめていた。
Aの炎から逃げる焦凍をカメラが追いかける。

いつまで続くかと思った試合は、父親の怒号と焦凍が出した氷の塊で決着がついた。

瞬きも忘れて画面に釘付けになっていた姉は、呼吸を思い出したかのように息を吐いた。
そしてAの方へと顔を向ける。

「……どうしてAだけ叔父さんの養女になったのか理解できた。そっか、そういうことだったんだね」
「私だけ……ずるいよね」
「そんなことないよ。知ってたら私も焦凍もそうするように勧めてたと思う」
「……」

続きを見ようか……と冬美は視線をテレビに戻した。
１回戦が終了し、勝ち抜いた生徒で２回戦が行われる。

２回戦の最初は緑谷と焦凍。
激しい攻防をなんともなしに眺めていたAは、信じられないものを目にして顔を歪めた。

「……は？何、これ……」

画面の先には『炎』を使った兄が映っていた。

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