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★★ ページ49

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 Aが攫われたと聞いた時、この上なく腸が煮えくり返った。なに勝手に誘拐されてんだ。俺の前からいなくなるなんて許すわけねぇだろ。昨日の話だってまだ決着がついてねーんだ。ふざけんなよ。



犯人が誰であろうと、どんな理由であろうと俺からAを奪っていく奴は許さねぇ。ぶっ殺してやる。



 コスチュームに着替える時間もずっとAを探し出す方法を考えていた。スマホに搭載されたGPSは……あてにならねぇ。Aのスマホは研究室に置かれていた。あれほど持ち歩いておけと釘を刺しておいたのに。



「クソ……ッ」


 苛立ちをぶつけるようにスーツケースの蓋を閉めた。その時、取っ手の近くに揺れる鈴が目に入ってきた。




 ──『共鳴』といって、ペアの鈴に音を伝えることができるんです。





 思い出したのは職業体験でのAの言葉。その時もアイツは誘拐されかけていた。人生で3回も誘拐事件に遭遇するなんて、ありえねぇだろ。


 あの時はこの鈴があったからなんとか救出できた。でも今は──……



 どんなに聴覚を研ぎすませても、もう鈴の音は聞こえない。聞こえていたとしても、音が拾える範囲にいないと意味がない。あの時は本当に運が良かっただけだ。



「聴覚、音……探る?」







「ええ!?八百万さんたちが乗ってきたプライベートジェットが!?」
「ええ。何者かに奪われたと……Aも心配ですけど、そっちも放っておけませんし……っ、ああ、どうしましょうっ」
「ヤオモモ、落ち着いて……ね」


 医務室に戻るとクソデクたちが騒いでいた。トラブルがあったらしくポニーテールが取り乱していた。それを宥める耳たぶに特徴のある女の肩を掴み、こちらに向かせる。



「オイ」
「ちょ、ナニ爆豪っ、今いろいろ大変──」
「てめーこの音聞こえるか?」
「はあ?」


 俺は鈴を耳女の前で揺らした。もちろん、俺には何の音も聞こえない。鈴を目にした女は眉を歪めて俺を見上げた。



「ウチの個性舐めてるの?もちろん聞こえるに決まってんじゃん。それがどうかした?」



 そうだ、この女の利便性を忘れていた。索敵に関してはトップクラスの個性。この鈴の音が聞こえるこの女なら──……


「オイデク、Aはこの鈴を持ってたんだよなァ?」
「うん、キーケースに付けてつなぎのポケットに……」
「耳女。この鈴の共鳴先を探れ」
「……は?」
「そこにAはいる」


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設定タグ:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 爆豪勝己   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:瑪瑙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320  
作成日時:2019年4月1日 22時

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