愛することすら、許されない２【爆豪勝己】 (ページ22)

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★☆ ページ22

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「おおー……っ！すごい！すごいすごいすごーーーーい！！」

　これはもう興奮するしかない。なぜなら……、

「日本では出回っていないオールマイトのフィギュアが……！！イベント限定のフェイスタオルが！ボイス付きの目覚まし時計も！！」

　オールマイトオタクの僕にとってはお宝の山が、ガラスケースにずらりと並べられている。残念ながら売りものじゃなくて、店長の趣味でインテリアとして飾られているものだけど。それでも実際に目にできるなんて！

「人気ヒーローのデクもオールマイトを前にしちゃ、ただのファンなんだね」
「に、人気！？いえ、僕はまだまだ！オールマイトに憧れてヒーローを目指した駆け出しヒーローです！」
「そんな謙遜しなくても。よかったらサインをお願いしても？ぜひ、店に飾らせてほしい！」
「え、僕なんかの！？なんだか……恥ずかしいな」

　店長がサインペンと色紙、そして店内に飾るためのポスターを差し出た。緊張しながらも僕がサインを書き込めば、それらを目立つ場所に飾りつけた。僕のポスターの隣にはダイナマイトのポスターがある。

　そこで僕はふと思うことがあった。

「なんか、ダイナマイトのグッズが極端に少ないような……」
「そりゃあ彼は最近はこの都市で活躍しているからね。市民の間で人気が爆発的に上がっているのさ」
「なるほど」
「今日発売のフィギュアもほぼ完売だよ。君も頼むよ〜」
「は、はぁ……」

　店長は嬉しそうだった。僕にも期待を寄せてくれるが、きっと売り上げのためだろう。

　日本を離れ、このＩ・アイランドで活躍していたダイナマイトことかっちゃん。活動情報が一切公表されないので、その名声は世に知れ渡ることがない。

　Ｎｏ.１ヒーローになると宣言しているかっちゃんが、それを良しとしてまでここに来た理由が分からない。

　……が、そんなことよりオールマイトだ。飽きるほどこの目に焼きつけて──、

「店長、ごきげんよう！」
「やあ、姫さん」
「あのっ、取り置きしていただいるダイナマイトの……」
「はいはい。もちろん姫さんの分はとってあるよ。初回特典付きの特装版が二つ、だったよね」
「ええ。ありがとうございますっ」

　興奮気味に店に入り、店長に駆け寄る黒髪の女の子。この子もかっちゃんのファンなんだ……。姫さん、なんて呼ばれているので気になって顔を見た。

「……あれ？」

　僕はその面影にどこか見覚えがあった。

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