愛することすら、許されない２【爆豪勝己】 (ページ13)

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☆☆ ページ13

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「さて、どうしましょう？」

　すでに日付は変わっている。食事をすませて、入浴も順番にすませた。

　爆豪さんの気遣いで窓のシャッターは全て閉じられているので、あとはこの嵐がおさまることを願って眠るのみ。

　──しかし問題が一つ。

「あ？なにが？」
「なにがって……寝る場所ですわ」

　爆豪さんはザッピングしていたテレビを消してリモコンをテーブルに置いた。

「そんな悩むことか？」
「他人を泊めたことがないのでどうしていいやら……。とりあえず、爆豪さんは私のベッドを使ってください。私(わたくし)はここで布団を敷いて────わ……っ！？」

　それが一番いいだろうと考えていると、突然の浮遊感。そして背中と足の裏に逞しい腕の感触。気づけば私は爆豪さんに抱き上げられていた。

「ちょ、ちょっと爆豪さん！？」
「てめーの部屋はあっちだったな……」
「まままま、まさか……っ、どど同衾するつもりですか！？」
「随分古風な言い回しだな。それでいいだろ」
「よくありませんっ！！」
「べっつに今更だろ。二回……いや、さっきのを入れたら三回は一緒に寝てんだからよ」
「それらは私にとっては不可抗力で……っ、あの、聞いてます！？」

　必死に意見を述べるが私を抱える爆豪さんは止まらない。私の部屋に入り、広い天井付きベッドへ一直線に進む。

「あのあの……っ、私はリビングで寝ますから」
「うるせぇ」
「きゃぅっ」

　爆豪さんはベッドの奥側に軽く投げるように私を降ろした。スプリングが軋む音がやけに響いた。

「大人しくしろ」
「……っ」

　少し乱暴な言葉遣いと雑な扱いに体を縮こまらせる。照明を遮るように影が差した。私を見下ろす爆豪さんが急に別人になったみたいで怖い。

　高鳴る鼓動を感じながらぎゅっと目を閉じて身構えると、ふわりと体に布団が被せられた。

「え？」
「…………向こう片付けてくっから、先に寝とけ」

　くるりと背を向けた爆豪さんは部屋の電気を消して出て行った。

「……へ？」

　別に何かを期待していたわけではないが、力が抜けて半ば放心状態だった。爆豪さんに対して“怖い”という感情を抱いたのは初めてだった。

「えっと……」

　まるで獲物を捕らえるかのような赤い瞳が印象的で。怖いと思いながらも受け入れそうになった自分がいたことも、否定できずにいた。

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