愛することすら、許されない【爆豪勝己】 (ページ6)

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☆★　夢は常に幸せな色をしてページ6

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「ふわぁ……んっ、ぐ、ふっ、んんッ──────……ッ、くしゅん……ッ！！」

　ドッ可愛いベイビーに手を加えていたら、背後でくしゃみが放たれました。我慢しようとして我慢しきれなかった、間抜けなくしゃみが。

　私と同じ時期にこの大学へ留学した百日紅(さるすべり)Aは、ずびっと鼻を鳴らしていた。

　暖かくなってきたとはいえ朝晩は冷えますからね。“創造するのに楽”という理由で、スポーツ用の丈の短いタンクトップを着用しているAは、見ている方が寒いです。というより本人も寒いと思います。くしゃみしてますし。

「っくしゅ、」
「A、大丈夫ですか？」
「ええ」
「ちゃんと休んでます？」
「ええ」
「……休んでます？っていうのは“休憩をとっている”って意味じゃなくて、“ちゃんと寝てます？”って意味ですからね」
「……ええ」

　先ほどから同じ返答。集中しているのか意識が朦朧としているのか。髪を一つに結び上げて作業するAは、顔が汚れるのも気にせず汚れた手袋で鼻を拭いた。

「そろそろお風呂に入ったほうがいいですよ」

　何日も風呂に入らず発明に没頭する私に言えるのかって？言えるのです、今は。ついさっきシャワーを浴びてきたところですからね。さすがに飛び散った廃液をつけたまま作業するのはどうかと思いまして。

「A～？」
「……」

　私の声は届いているのでしょうか？手先を見る目はとろんとしていて、こちらを見る様子はない。随分と徹夜が続いているので、さすがに私も心配になります。なにかAの耳に届くような情報を……まあ、一つしかないですけど。

　ノートパソコンに片手を伸ばし、検索欄に“ある単語”をタイピングした。そしてヒットした“彼”の最新の情報をAに聞こえるように読み上げる。

「“ダイナマイト、ヒーロー活動を休止”」
「！」

私の声に反応したAはバッと顔を上げた。

「明、それは！？」
「ネットニュースです」
「ちょっと失礼！」

　調整していた部品を放り出し、パソコンに食らいついた。

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