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★★ ページ26

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「さすがお兄さま!爆心地の良さを引き出してますわ」


 Aは両手を頬に添えて、ぽやんとした表情を作る。


 次に会った時、嫌われていようが忘れ去られていようが、ぜってー逃がさねぇと覚悟を決めてここへ来た。なのに──……なんだこれは。





「生爆心地……尊いですわ……」
「……」



 嫌われてはいない。むしろ好かれている。……“爆心地”という存在が。“ヒーロー爆心地”という存在だけ(・・)が。




「はっ!!こんなことをしている場合ではありませんわ!」
「あ?」


 恍惚の表情から一変、俺の手の中にあるクリーニング済みの服を見て時間を思い出したのか、再び慌て出した。



「早く支度をしなくては!!あ、そうですわ!?ここはどこなんでしょう?最寄りの駅は……」
「だったら心配すんな。このホテルは大学の真ん前だ」
「え……?」


 窓に近づきカーテンを開ける。この部屋は大学よりも上階だが、見下ろせば道路越しの正面であることが確認できる。


「あら、まさかこんなに近くだったとは」


 ホテルから出ればすぐ大学という距離に安心したのか、Aはほぅ……と息をついた。




「授業か?」
「いえ、今日は試用実験があるんです」
「……試用実験?」
「はい。I・エキスポで展示するサポートアイテムの。実験場の予約がなかなかとれなくて……今日を逃したら次はいつになるやら……」
「ふぅん」
「ほぼ完成していますので、あとは微調整と最終チェックだけなんです。それから申請してOKを頂けたら体験用スペースに展示させてもらえるんです」
「そうか」
「申請が通ったら、はじめに爆豪さんに使っていただきたいですわね」
「あ?」
「約束……しましたでしょ?」
「……ああ、そうだったな」


 驚きで反応がワンテンポ遅れた俺を、Aは不安気に見上げながら“約束”の言葉を口にした。俺は自分でもびっくりするくらい、柔らかな表情をしていたと思う。あの日の約束がまだ存在していることが嬉しかったんだ。



「あ……ぅ……」


 Aの顔がみるみる赤くなっていく。


「そんなの、反則ですわっ」
「あ?」


 俺の手から服を搔っ攫い、「着替えてきますわ!」と洗面所に走っていった。





「……はッ、──覚悟しろよ。A」




 俺はその後ろ姿に向かって宣戦布告した。その反応が“爆心地”に向けたものであろうが、いつか“爆豪勝己”に対するものにしてやる。そう心に誓って。


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★★ ふわりと舞うように→←★★



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設定キーワード:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 爆豪勝己   
作品ジャンル:アニメ
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ルイちゃん(プロフ) - ご。 この小説の続編が出来て読みたいと思っていたら、パスワードがかかっていたので、とてもとても読みたい為、教えて頂いたらとても光栄です。 この小説もですがこれまで作っている小説がとても大好きです。 (4月2日 8時) (レス) id: 37d47bd104 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑪瑙 | 作成日時:2019年3月18日 22時

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