愛することすら、許されない【爆豪勝己】 (ページ3)

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★★ ページ3

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　二年前、雄英を卒業しプロヒーロー活動を始めてすぐの頃。俺にとって益のある情報が齎(もたら)された。

「……今、なんつった」
「二年後の夏に、Ｉ・アイランドにて再びＩ・エキスポが開催される」
「違う。その後だ」
「今回は以前のように一般の公開はせず、関係者のみを招待するという小規模なもので──」
「違ぇ！！もっと後だ！！」
「あは」

　コスチュームの調整のため、ラボに訪れた俺に情報を与える男、百日紅(さるすべり)十環(とわ)は愉快そうに笑った。こいつ、分かってて言ってやがるな。

「気持ち悪ぃ笑い方すんな。招待がなんだって？」

　イラつきながら俺は肝心な部分を催促した。聞き間違えではないと確信するために。

「開催される年の上半期のビルボードチャートで、トップ１０にランクインしたヒーローがその招待を受けられることになっている」
「……それ、間違いねぇんだな」
「信じるか信じないかは君次第だよ。まぁそれが嘘だったとしても、“あの子”に会いたいなら、それくらいの実力はつけてもらわないと、ねぇ？」

　俺に背を向けてコスチュームをいじっていた百日紅十環は、仰ぎ見るように首を曲げて言う。挑発的な言葉に俺は笑みを漏らした。

「──ハッ、誰に言ってんだ」

　トップ１０にランクイン。二年もありゃ充分だ。

「やってやろーじゃねーか」

　そして俺は、俺の持てる全力を尽くして上位へとかけて駆け上がってやった。

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