愛することすら、許されない【爆豪勝己】 (ページ20)

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★★ ページ20

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「ん、んん？……えっと、それはどういう……」
「Ｉ・アイランドに行くってのが公表できねーから、活動休止ってことにしてんだよ」
「なるほど。……それで、休止にしてまでわざわざ何をしに……？」

　上目遣いのままコテンと首を傾げて問う。この女、分かっててやってんのか無意識でやってんのかどっちだ。他の男にもしてねーだろうな。それ思うと腹の底から怒りが湧いてきた。

「……おい、てめー今まで何人の男と寝た？」
「はい！？な、なにをいきなり……っ」
「いいから答えろ」

　Aは「えー……っと」と右手を前に出した。親指、人差し指、中指、薬指、……そして戸惑いがちに小指を折ろうしたところで、俺はその手を隠すように掴んだ。

「あーーもういいわっ！！」
「え！？──ひゃぅ……っ」

　Aを背後のベッドに押し倒し、顔の横に両手をついて上にのしかかった。Aの表情を見て、今の俺がどんな凶悪な顔をしているのかが容易に想像ができた。ふるふると怯えるように体を縮こまらせている姿が小動物のようだ。

　悠長にしていた俺が馬鹿だったわ……。まさか、片手以上の人数の男と──

「な、何を怒ってらっしゃるんですか？爆豪さんもちゃんとカウントしようとしましたよ！？」
「……は？」
「え……？さっきのは違いました？」
「いや、俺は手を出して…………あ」

　どこか噛み合わない会話。俺はさっき自分が言った言葉を思い出した。“何人の男と寝た”？を、Aはそれを純粋に“一緒に眠った”と解釈していたのではないか、と。

「……参考までに、数えてたやつの名前を言ってみろ」
「え？」
「いいから、はよ言え」

　そんな気がして、Aが数えていた人間を言うように求めた。

「お……お父様とお兄様たちと……お爺様とも小さい頃寝ましたし、もしかしたら百のお父様とも。で、昨日の爆豪さん」
「……」
「あっ！！もしかして“寝た”っていうのは、そう言う意味の“寝た”という意味でした！？」
「ここで気づくなや！」
「すす、すみませんっ」

　そうか、と流すつもりが質問の真意に勘付かれてしまい、後に引けなくなった。聞いてしまって良いのか。今のでこんな行動を起こそうとした自分は、Aの男の来歴を知らない方がいいのかもしれない。

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