☆★「くっだらねぇ」 ページ10
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「おいクソデク」
「な、なな、なに、かっちゃん……っ」
低い声で唐突に話しかけられて、僕は反射的に身構えた。
今日のかっちゃんはなんだか機嫌が悪そうだ。いや、これが普通だ。最近がおかしかったのだ。なんだか丸くなった？と思ったのは、僕の錯覚だったのかもしれない。
「
「ん？」
「知ってることを教えろ」
「えっ？」
僕の机に片腕を置き、ずいっと体を寄せて星麗学園の情報を要求してきた。なんだか目が怖い。これは一体何を求めているのか、頭の中で超高速で推理する。望まない答えを言ってしまえば……、まぁいつもと変わらないんだろうけど。
「なんだなんだ、爆豪ぉ。星麗のヒーロー科の奴にでも難癖つけられたのか？」
「あ゛？」
先日、星麗学園の話題で盛り上がっていた上鳴君が話に入ってきた。かっちゃんはもたもたしていた僕に向けた威嚇の手を下ろして、視線を上鳴君に向けた。
「昔っから仲悪いらしいしな。雄英と星麗のヒーロー科」
「どういうことだ？」
「知らねぇのか爆豪」
上鳴君曰く──、星麗学園はお金持ちの子息令嬢を預かる学校。つまり寄付金がたんまり入る。その寄付金で雄英に負けず劣らず──むしろそれよりも最新鋭の施設が揃っている。プロヒーローを全国から招き、ヒーロー教育も抜かりない。
「えっと、雄英よりも良い施設があるからむかつくってこと？」
「いやいや。学校自体は悪くねぇんだ」
ただ“金にものを言わせてヒーローになった”生徒が過去にいたらしく、真面目にヒーローを目指している雄英の生の怒りを買っただけ、らしい。
「ちなみに、あっちはあっちで“雄英のヒーロー科はエリートぶってて気にくわない”って思ってるらしいぜ」
「え！そうなの？」
「だいぶ昔の話らしいけど。お互いに意識してて、“あいつらに負けるか”ってのが一部で残ってるってさ」
「へぇ〜……」
星麗学園と雄英の意外な確執を知り、僕は感嘆の息を漏らした。
「──け、くっだらねぇ」
黙って聞いていたかっちゃんはそれだけ言って前を向いた。組んだ両手に顎を置き、何もないところを睨んでいる。かっちゃんの聞きたいこととはなんだったんだろうか。今の上鳴君の話に関係あった？
……見るからにイライラが滲み出ている。この状態のかっちゃんに話しかけるのはちょっと憚られた。
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★★「なに派手に素っ転んでんだ」→←０４★★「それは大変ですわ」
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年10月25日 0時
