０８☆★「ファミレス……」 ページ26
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「──ということがありまして。どうやら飲み物に即効性の睡眠薬が混ぜられていたみたいなんです」
「え！？Aちゃん大丈夫だったの！？」
「はい。この通りなんともありませんわ。ご心配、痛み入ります。切島さん」
Aちゃんは天使の微笑みで、俺に笑いかけた。
☆
職場体験が終わり、林間合宿参加のために猛勉強を余儀なくされた俺は、爆豪の「教え殺したるわ」の言葉に全力で縋った。休日に教えてもらったがそれだけで足りるはずもなく、平日の放課後も世話になっている。いや、無理矢理ついてきたんだけど。
何度もついてくるなと言われてもめげずに後を追った。図書館に着いた時、なんだちゃんと教えてくれる気あんじゃんと、不器用ながらも友達思いな爆豪に感動した……が、違った。
なんと向かった先に、先日ファミレスで会ったAちゃんがいた。こいつ、こんなところで
Aちゃんは爆豪にくっついてきた俺をじぃっと見ていた。
「え……と、たしかファミレスでお会いした方の中に……」
「切島です。切島 鋭児郎。よろしく！！」
「あ、はい。
Aちゃんは手のひらを合わせながら俺と爆豪を交互に見た。
「爆豪に勉強を教えてもらおうと思って。一ヶ月後に期末で……」
「まぁ、もうそんな時期ですか！さすが、雄英の方はテスト対策も早くからなさるんですね」
「はは……」
今からやらないと間に合わないんです。感心しているAちゃんに水を差すわけにもいかず、かといって何も言わないのは心苦しい。
「A」
「はい」
え……！？あの爆豪が！女子の！名前を呼んだ！？
「このバカの頭をマシにするためにはそんくらい必要なンだよ」
バカって言った！ひでえな。でも一ヶ月はちゃんと面倒見てくれる気はあるんだ。しかと聞いたぞ。Aちゃんという証人もいるからな！
「図書館じゃやりにくいから、俺たちは今からファミレスに行く」
「ファミレス……」
呟きとともにAちゃんの目に輝きが宿った。
「
「好きにしろ」
「ありがとうございます！」
なんていうか、この前の八百万みたいな反応だった。かわいい。
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☆★「そういうの、本当にあるんだ」→← ★★「まどろっこしいのはナシだ」
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年10月25日 0時
