☆★「まさか爆豪にあんな可愛い彼女がいたなんて」 ページ18
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ふと顔を上げたら、メニュー表と睨めっこする
そんな疑問を持ちつつ同席者に目を移すと……え？マジ？
「あの……爆豪さん、よろしいでしょうか」
「あ？」
よく知るクラスメイト、爆豪が苛立った様子で腕を組みながら座っていた。何がなんだか。
それだけでも驚きなのに、星麗の子はこちらを見て緑谷の名前を呼んだ。
☆
「A、お久しぶりですわね！」
「ええ、百。お元気そうでなによりです！」
「皆さん、紹介しますわ。私の父方のいとこです」
「百日紅 Aと申します。よろしくお願いします」
丁寧に自己紹介するAちゃんは、麗日たち女子グループに誘われて席を移した。女子、男子でテーブルを分けていたから、残念ながら俺たちは話に入れない。
紹介してほしいのに！お近づきになりたいのに！それができる空気じゃない。
その代表たるのが爆豪だった。俺たちのテーブルに背を向けているAちゃんを隠すように座り、俺たちが話しかけようとするたびに「あ゛あ！？」と睨みつける。
「はぁ〜〜……爆豪に先を越されるなんて」
「だよなぁ……まさか爆豪にあんな可愛い彼女がいたなんて」
「しかも他校の……星麗のお嬢様」
羨ましがる俺に切島と瀬呂が続く。じとーっと爆豪を見つめながら。その視線を鬱陶しく感じた爆豪はテーブルに拳を押しつけた。そしてこう言った。
「彼女じゃねーわ！」
「え！？じゃあなんでそんな、彼女に手を出されないように威嚇する彼氏みたいな面してんの？」
「してねーし！！」
し、してないだと！？ここにいるメンバー誰から見てもそう思うって。え？まさかの無自覚？
「じゃあさ。俺たちもAちゃんに話しかけてもいい？」
「っていうか、別に爆豪の許可取る必要なんてないもんな！彼氏じゃねーんだし！」
切島と瀬呂が悪い笑みを浮かべて言った。からかってやろうと思ったらのは俺だけじゃなかった。爆豪の反応はと言うと、
「…………好きにしろや」
語気に苛立ちを忍ばせて、飲み干したコーラを補充しにドリンクバーへ向かっていった。
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年10月25日 0時
