恋したことにも、気づけない【爆豪勝己】 (ページ2)

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　　★★「クッソ、カッコ悪ぃ……っ」ページ2

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　なぜ爆豪がこの少女と面と向かっているのか。それは数日前──はじめて戦闘訓練をした日の放課後へと遡る。

　その日、爆豪は見下していた幼馴染みに敗北し、特待生の優秀さを目の当たりにした。上には上がいると思い知らされた。今まで培ってきた自尊心が砕け散り、残ったのは屈辱。

　負けた相手に思いの丈をぶちまけて「雄英で一番になってやる」と宣言したが、悔しさが消えるわけもなく──……。

(クッソ、カッコ悪ぃ……っ)

　こんな顔のまま帰るわけにもいかず、校門を出たところで立ち止まり無様に涙を拭った。気持ちを切り替え、駅を目指そうと足を踏み出したその時──、

「──あの、大丈夫でしょうか」

「……っ！？」

　同世代の女の声がすぐ側から聞こえて、伏せていた顔を上げた。誰もいない？いや、確かに人の気配を感じる。

　声がした先を、目の端に水分を残したまま威嚇するようにギ……ッと睨みつけた。

「──、」

　対象を視界に捕らえた瞬間、思わず息を呑んだ。

　そこにいたのは、沈みゆく夕陽の光を受けて佇む少女の姿。どこか儚げな雰囲気を持つ少女に、爆豪は不覚にも見蕩れてしまった。

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