□ あけまして ページ2
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慌ただしい１年が過ぎ、また新しい１年が始まる。
今日はその初日。
(……)
爆豪勝己は己が置かれている立場に複雑な心境を抱いていた。
場所は轟家。
つまりAの実家にお邪魔している状態だった。
爆豪は床の間を背にして座る２人の男を見た。
「どうぞどうぞ。遠慮なく」
「いやぁ、すみません……」
自分の父親がエンデヴァーと酒を酌み交わしている。
なんとも不思議な光景だ。
次に開いた襖から見えるキッチンに目を移す。
母親はAの姉──冬美と料理の話に花を咲かせていた。
初めて招かれた場所で初めて会う人間とこうも意気投合できるものなのか。
Aはというと、
「焦凍ぉ。酔っちゃったぁ」
……なんて言って兄の腕に絡みつきながら肩に頭を預けている。
お屠蘇を一口飲んだ途端にこれだった。
「なら部屋で休むか？」
「ううん。こうやって肩を貸してくれたらいいからっ」
「……そうか」
Aは甘えるように兄に頬を寄せていた。
それはそれは嬉しそうに。
(……あンのブラコン女っ)
爆豪には分かる。
あれは演技だ。
彼氏を放置して兄にべったりしている彼女を睨みつけるが、Aは気づかないフリをしていた。
「ばっくごーくーーん！」
「！？」
唐突に横からタックルするように爆豪の隣に座ったのは兄の夏雄だった。
「緊張してる？ 正月に彼女の実家に来るなんてさぁ」
「……はい、まぁ」
「だよね！！ 俺だったら絶対遠慮するもん！ その点、君はすごいよ尊敬するよ！！」
適当な相槌をする爆豪に夏雄は勢いよく話す。
嫌味ではなく純粋に褒めてくれていることは理解できた。
「俺なんてそんな度胸ないから“正月はちょっと用事が……”なんて言っちゃってさぁ……」
なぜか彼の話を聞く羽目に。
肩を抱くように掴まれて逃げられない。
極めつけに──、
「爆豪君……いや、勝己君っ！ 卒業したら、ぜひうちのヒーロー事務所にきてもらうからなっ！」
「は？」
酒で顔を真っ赤にしたエンデヴァーが爆豪に向かって言った。
補講の時にも何度か言われているセリフだったが、酒が入ったことによって強制力が増していた。
しかしAが一言。
「お父さーん、焦凍がね。“だったら俺が別の事務所に所属する”って」
「……っ！？」
娘の言葉に衝撃を受けて、エンデヴァーは空になったトックリを床に落とした。
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パチ麻呂(プロフ) - 続編うれしいです、作者様もどうかお身体に気をつけてください！ゆっくりでもいいのでずっと待ってます(;_;) (2020年5月8日 0時) (
レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 完結ですか？？この作品ものすごく好きだったので完結するのが悲しいです((泣)) (2020年3月5日 20時) (レス) id: 3aa825630d (このIDを非表示/違反報告)
鳳＊(プロフ) - えっ、、、イラスト美味すぎん、、、？作品内容もバリ良きだけど、イラスト書いている私からしてもこりゃ上手いわ……！ (2020年1月16日 17時) (レス) id: 63e109079e (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - お話は面白いし絵も素敵です。 (2019年10月24日 2時) (レス) id: 4b6f8d26fa (このIDを非表示/違反報告)
ツートップは神でしょ - すいません！轟さんバージョンの作品を見つけました！知らずに聞いてすいません・・・でもこのシリーズとっても大好きなのでこれからも頑張って下さい！！ (2019年5月8日 20時) (レス) id: 1be51e16a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年11月14日 22時
