芽生えた気持ち ページ7
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Aはいつも同じ時間に家を出て、決まった時間の電車に乗る。
(轟君だ……)
その時間に登校すると大抵、轟が数メートル前を歩いていた。
おそらく同じ電車に乗っていたのだろう。
赤と白のコントラストを眺めながら、声を掛けるべきかいつも逡巡している。
(制服のボタン、返さなきゃ……)
気にするなと言われたから、絶対に返さなくてはということではない。
ただ、話しかけるチャンスがあるとすれば、Aが髪に絡めてしまったボタンを返す時。
そこから次へ活かせるかといえば、多分……いや絶対に無理だ。
Aにそこまでのコミュニケーション能力はない。
ボタンを返却して用件は終わり。
彼との接点は完全に途絶えてしまう。
それを考えてしまって一歩が踏み出せないのだ。
(あ……)
そうこうしているうちに校門についてしまい、呼び止めるチャンスがなくなる。
今日もボタンはAの鞄の中で過ごすことになった。
そんな日々を何度も繰り返す。
Aは毎日、轟の後ろ姿を見ていた。
赤と白に彩られた美しい髪。
親から受け継いだ２つの特徴。
真ん中から左右に分かれ、目と髪に反映されているという共通点が、Aの関心を惹いた。
彼のことをもっと知りたいと思うようになった。
それから５月になり、体育祭で彼の活躍を目の当たりにした。
友人の発目が奮闘する中、Aはスタート位置につくことなく観戦者の１人として見学していた。
(私も参加すれば良かったなぁ……)
そうしたら、少しでも彼に近付けたかもしれないのに……なんて。
しかし、自分の個性は戦闘向けではないことを思い出し、やっぱりやめておいて良かったと考え直した。
決勝まで上り詰める彼の姿はとても魅力的だった。
氷と炎を放つ姿に見蕩れてしまった。
２つの個性を持つところもまた、Aとの共通点。
そんな彼をサポートしたいと思えた。
なんでもいいから役に立ちたいと。
その思いが恋心に変わりはじめた頃、────彼がシスコンであるという噂を聞いてしまった。
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
