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あの日の ページ46

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(うぇ……、あ、う、嘘……)



轟の言葉と行動にAは頭が沸騰しそうになっていた。
顔を伏せてぎゅっと目を閉じ、心の中で自問自答を繰り返す。



(今、なんて言った……? わ、私の耳がおかしくなっていなければ、轟君に告白的なものをされたような……好き? 隙じゃなくて?)




そんなAをよそに轟はAの三つ編みを片手でもてあそぶ。
色の違う髪が混ざりあったそれを愛でるように見つめて。




「今日は三つ編みなんだな。上がジャージじゃないのも珍しい」
「えと……そのっ、汚しちゃって……」



普段、Aは制服のスカートの上にジャージを着ているが、本日は学校のブレザーを着用している。
発目の爆発に巻き込まれて汚れたから仕方なく。




Aの髪は絡まりやすく、肩に付いているボタンにすぐ引っ掛かるので、1つにまとめて三つ編みにしていた。
これで眼鏡なら轟と初めて会った日の格好だ。




「あの時と同じだ」
「え?」
「俺のボタンが絡まった時」


ボタンが絡まった位置に手を滑らせて、親指と人差し指で撫でる。


「覚えて……?」
「さっき思い出した。Aの後ろ姿を見た時にどこかで見たことがあるなって……」


Aが作業をしている間、いつ話しかけようかとタイミングを見計らっていたらしい。



「三つ編みに触れて確信した。この感触はあの時のものと一緒だ」



ボタンを取り出すために触れた指先。
細くて絡みやすい髪の感触を指が覚えていた。








「……さっきの言葉は嘘じゃねぇからな、Aが好きだっていうの」
「え?」


反射的に見上げると轟と目があった。
その瞳はどこか悲しげに揺らいでいた。



「……でも俺が一方的にそう思ってるだけで、Aが俺のことを嫌いなら……」
「き、嫌いなんかじゃありませんっ」



慌てて訂正する。
轟が左手を離そうとしたので、今度はAが強く握り返した。


「わ、私……てっきり自分のミスで唇にキスしてしまったと思って……あと、轟君は八百万さんとつき合ってるものと……だから──」



繋がった手を胸の位置で浮かせて右手を重ねた。




「だから、轟君のことを諦めようとしてました」









とても悲しくて苦しい選択だった。
報われない恋を続けるなんてAには耐えられないから。


でも……──






「私も轟君のことが好きです」




大きく震える心臓の鼓動を感じながら、絶対に伝えることがないと思っていた言葉を口にした。


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設定キーワード:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 轟焦凍   
作品ジャンル:アニメ
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ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです!更新頑張ってください! (12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです! (11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
シャララデルモ - 完結おめでとうございますッス!絵がとても上手いんですね!羨ましいッス!新作も期待してますッス! (2018年8月9日 23時) (レス) id: ae0a67348a (このIDを非表示/違反報告)
秋葉 - 完結おめでとうございます!でも願わくば続編を希望します…!とてもおもしかったです!! (2018年8月9日 20時) (レス) id: 7efc50ba9d (このIDを非表示/違反報告)
まめこ - 完結おめでとうございます!イラスト可愛い!頑張ってください! (2018年8月9日 19時) (レス) id: c944c1b12f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑪瑙 | 作成日時:2018年7月21日 1時

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