占いツクール
検索窓
今日:104 hit、昨日:84 hit、合計:155,671 hit

正反対 ページ38

.

あの日の出来事に気持ちが沈む。
せっかく忘れていたのに、聞こえてきた会話がきっかけで思い出すことになってしまた。



(はぁ……仕事しよう)


Aは両手で触れる物体に向かって個性を発動させた。
ちょっとは気がまぎれるかもと思ったが……、




「……」



手の中にある加工前の状態に戻った素材を見て、Aは動きを止めた。




頭に浮かぶのは八百万の『創造』する個性。


とても羨ましいと思った。
……と同時に妬ましいという感情が顔を覗かせる。




Aが一番得意とするのは左手の『破壊』の個性だ。
何もコツはいらない。
ただ触れた『物』を破壊するだけ。





『創造』とは対極に位置する『無』に帰す個性。




八百万の話はサポート科でもよく話題になる。
美人で成績も良くて、とても優秀な個性を持っている……と。



(私なんかとは、何もかも正反対……)



Aは自嘲気味に笑みを浮かべた。





カラン……──




「あ……」


手の中からネジが落ちた。
カラカラと音をたてながら入り口の方へ転がっていく。


「待っ……あ、」



取りに行こうにも、手の中にはまだ細かい部品があって動けなかった。
ひとまず見失わないように目で追いかけた。



少し離れた場所で動きを止めたのを確認して、Aは部品をビニール袋にいれる。
中身が溢れないように結んでから、落ちたネジを拾うために振り返った。




「……あれ?」


ついさっきまであったはずのネジが消えていた。
確かにその場で止まったはずなのに……と、その周辺を見回していると、腕が横から伸びてきてネジが差し出された。



「これか?」
「あ、うん」


近くを通りかかった男子が拾ってくれていたらしい。




「ありが────」


お礼を口にしようとして、Aはそこで言葉を止めた。






「な、な、と……──轟君っ!?」



隣に立っていたのは近くで作業をしているクラスメイトではなく、轟だった。
本当に突然だったので、驚きで受け取ったネジをまた落としてしまった。



再び転がっていったネジを追いかけて拾い上げる。
おかげで轟との間に距離を作ることができた。





「な、なにか用事ですか?」


恐る恐る要件を伺うと、轟は首に手をあてて「あー……」と言いながら目を伏せた。
そして、ゆっくりと視線をAに戻した。



「この前の保健室のことなんだが……」
「……」



ああ、やっぱりその話題か……とAは拳を握りしめた。


.

忘れましょう→←目撃



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (203 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
375人がお気に入り
設定キーワード:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 轟焦凍   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです!更新頑張ってください! (12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです! (11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
シャララデルモ - 完結おめでとうございますッス!絵がとても上手いんですね!羨ましいッス!新作も期待してますッス! (2018年8月9日 23時) (レス) id: ae0a67348a (このIDを非表示/違反報告)
秋葉 - 完結おめでとうございます!でも願わくば続編を希望します…!とてもおもしかったです!! (2018年8月9日 20時) (レス) id: 7efc50ba9d (このIDを非表示/違反報告)
まめこ - 完結おめでとうございます!イラスト可愛い!頑張ってください! (2018年8月9日 19時) (レス) id: c944c1b12f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瑪瑙 | 作成日時:2018年7月21日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。