目撃 ページ37
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サポート科にとって文化祭は数少ない発表の場。
毎年、全学年一律で技術展示会を開くことになっていた。
Aも解体作業の要請が多く、あっちへこっちへと動き回っていた。
そこへ発目が通りがかる。
「あれ？ Aがブレザーを着ているなんて珍しいですね」
「明が昨日、起こした爆発で汚れたからクリーニング中なの！」
「ああ、そんなこともありましたね」
Aのちょっとした嫌味に、発目は他人事のように受け答えした。
「あ、さっき先輩が来てほしいって言ってましたよ」
「……はいはい」
また解体作業。
個人ではなくサポート科全体での出し物なので、貢献していると言えば貢献している。
発目に言いたいことはまだあるが、Aは諦めて先輩のもとに向かった。
その道すがら、２人の生徒とすれ違う。
「喉渇いたね〜」
「アイスティーでも買いに行く？」
「私、フラペチーノ飲みたい！」
その会話にAはドキッと肩を跳ね上がらせた。
(あぁ、ダメだ。また思い出してしまう……)
Aは胸の痛みを誤魔化すように、ぎゅっと握り込んだ拳を胸に押しつけた。
つい最近、学校の敷地内に新しい施設ができた。
その中にコーヒーや紅茶で有名なチェーン店があると聞いたAは、最近話題の期間限定の飲み物を試しに行こうと訪れた。
目当てのドリンクを受け取ったまでは良かった。
奥の席で一息入れようと思ったのが間違いだった。
行く先に見えたのは、赤と白の髪色の少年──轟の姿。
最奥のテーブル席にこちらに背を向けて座っていた。
(……っ！)
Aは飲み物を持ったまま固まった。
ここで顔を合わせるのは気まずい。
幸い自分が持っている飲み物は、そのままテイクアウトできる容器に入っていた。
このままそっと立ち去ろう。
そう思って踵を返した時────……
「好きだ」
聞こえてきた声は轟のものだった。
(好き……だ……？)
それはまぎれもなく告白の言葉で。
つまり向かいにはもう１人誰かがいるということ。
轟君が告白した相手がいる──……
止めておけば良かったのに、Aはその相手を覗き見てしまった。
艶のある黒髪をポニーテールにまとめあげている少女。
轟と同じヒーロー科の推薦入学者で名前は八百万百。
(そんな……、)
とても嬉しそうに目を輝かせている彼女の表情を見て、Aは逃げるようにカフェから立ち去った。
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
