決意 ページ30
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支えた体から少しだけ重みが伝わる。
覗き込んだ轟の顔は辛そうだった。
「轟君っ、大丈夫ですか！？」
まだ片足で体を支えられる状態ではない轟は、Aに少しだけ体重を預けていた。
「辛いですか？ すみません、放置してしまって。今回はお婆ちゃんに治癒してもらって……」
「いや……違う」
祖母に早急に治療をしてもらおうと促せば、轟は首を振って否定した。
「悪ぃ。Aがいなくなるかもって思ったら、なんか……じっとしてられなくて」
「え？」
「雄英、辞めるのか？」
「……サポート科ではヒーローの資格をとるのは難しいですし、医療に関する勉強も満足にできませんから」
自分の考えを述べると、轟は「そうか……」と力なく呟いた。
それを見て決心が揺らぐ。
まるで、轟が離れたくないと言ってくれているようで────……
「A、転校する必要はないよ」
２人の会話を黙って聞いていた祖母が口を開いた。
「さっきの話の続きだけどね。別にサポート科でもヒーローにはなれるんだよ」
「え？」
Aはきょとんと目を瞬いた。
「むしろ私たちの個性ならそっちの方が良い。敵と直接戦うわけではないからね」
ヒーロー科は現地で敵と対峙した時を想定した訓練が主だ。
サポートする側にはそこまで必要はない。
治癒などの裏方はその場の判断力と行動力が問われる。
倒すことよりも、助けることが最優先。
「それに、ヒーロー科は資格取得が必須なだけで、他の学科も申請すれば試験を受けることができる」
「そうなの？」
てっきりヒーロー科だけが受けられると思っていたので、意外な事実に拍子抜けした。
「医療の勉強だって急ぐことないんだよ。大学に進学して医学を学んでも遅くはない」
「早い方がいいかなって……」
「なに言ってんだい。この学校には私がいる。最高の環境じゃないか」
にこっと微笑む祖母を見て、Aは「あ……」っと小さく声を漏らした。
リカバリーガールの後を継ごうしているのだから、祖母に師事して経験を積むのが良いに決まっている。
「転校、しなくても良い……？」
会議を終えた後に訪れた心の変化。
人々の心の安寧のために生きようと覚悟を決めた。
今ならまだ諦めきれると、忘れられると思っていた。
だから────、
(轟君と離れなくて良いってこと……？)
それを知った時、心の中にとても大きな安心感が広がった。
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
