占いツクール
検索窓
今日:8 hit、昨日:119 hit、合計:155,814 hit

保健室 ページ28

.

学校の保健室。
Aは祖母であるリカバリーガールと真剣に向き合って話をしていた。






自分が思っていることを打ち明けると、祖母は驚いた顔をした。


「それは本当かい?」
「うん……」
「だって、あんなに嫌がってたじゃないか」


確認の言葉に首肯すれば、さらに目を丸くしてAを見た。
その瞳には戸惑い、喜び、心配──たくさんの感情が混ざっていた。



「そう言ってくれて私は嬉しいよ。でも……今まであんなに嫌がってたのに。もしかして、何か言われたかい?」
「ううん」



Aを気遣う祖母に首を振って否定した。




「あのね──……」
「──失礼します。すみません、足を……──A?」
「轟君?」


突然、保健室の扉が開いたかと思えば、そこにはコスチューム姿の轟がいた。
不自然に扉に寄りかかっている。



「どうしたの? 気分が悪いとか……?」
「足、捻った」
「えっ、それは大変! ここ座って!」


歩きにくそうに近寄ってきた轟に座っていた椅子を譲った。
ブーツを脱いでズボンを捲ると、足首の周辺が腫れていた。


(痛そう……)





「Aは? お前こそどこか悪いのか?」
「え? サポート科は文化祭の準備で結構自由なんです。サボりたい放題です」
「……そうだったな」


心配そうにしていた轟にぺろりと舌を出しておどけてみせると、ほっとした表情に戻った。



「轟君は訓練かなにかですか?」
「あぁ……着地、失敗した」
「轟君でも失敗するんですね」


からかうように言うと、轟は困ったように笑った。
ヒーロー科の実践授業は厳しく、激しく動き回るので保健室を利用するものは多い。
祖母は手慣れた手つきで患部を診ていた。



「ぐ……っ」
「あぁ、悪いね」


足首を軽く動かすと、轟は痛みをこらえるように表情を歪めた。



「もしかしたら靭帯を傷つけているかもしれないねぇ。治癒で治しておこうか」
「あ、あの……、お婆ちゃんっ」


Aは個性を使おうとする祖母を引き止めた。



「どうしたんだい?」
「私が治癒しても良い……かな?」
「……」



おずおずと窺えば、祖母は訝し気な顔で見上げた。


「あんたはまだまだ修行が足りないよ。中途半端に治癒しても患者が苦しむだけさ」
「……そう、だね」


祖母の言うことは間違っていない。
半人前の人間に患者を任せるほど、甘くないことも知っている。





予想通りの答えに身を引こうとした時──……



「俺は構わない」
「……え?」


.

報告→←従姉



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (203 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
375人がお気に入り
設定キーワード:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 轟焦凍   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです!更新頑張ってください! (12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです! (11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
シャララデルモ - 完結おめでとうございますッス!絵がとても上手いんですね!羨ましいッス!新作も期待してますッス! (2018年8月9日 23時) (レス) id: ae0a67348a (このIDを非表示/違反報告)
秋葉 - 完結おめでとうございます!でも願わくば続編を希望します…!とてもおもしかったです!! (2018年8月9日 20時) (レス) id: 7efc50ba9d (このIDを非表示/違反報告)
まめこ - 完結おめでとうございます!イラスト可愛い!頑張ってください! (2018年8月9日 19時) (レス) id: c944c1b12f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瑪瑙 | 作成日時:2018年7月21日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。