２つの色 ページ3
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少女は鏡の中の自分と向き合っていた。
左右で異なる瞳の色。
よく目を凝らしてみれば、髮の色も中央を境に微妙な違いがあった。
今の時代、容姿が他人と少々異なっているのは珍しくない。
でも、やはり人の視線は“変わっているもの”を追いかける。
それが“いじめ”という差別を引き起こす。
子供は何にでも理由を付けて、他人を貶めることができるのだ。
──その目、すっごい変だね
色の違う瞳を「変だ」と言われて、くすくすと笑われて。
“いじめ”というには大げさな、とても稚拙な嫌がらせ。
幼い頃の少女にとってはとてもショックなことだった。
しかし、要領のいい同級生たちは先生の前では仲良しを演じる。
嫌がらせを受けていると訴えたところで、耳を貸してくれないだろう。
この経験が、今の少女を形作る要素の１つとなった。
小学校を卒業するまでそれに耐える日々を送っていた。
引っ越すことになり、新たにはじめる中学校での生活。
トラウマが残る少女は最低限の人間関係を築いて乗り切った。
しかし、今度は父親の親戚──いわゆる従姉から、嫌がらせや悪意のある言葉をぶつけられる。
理由は容姿ではなかったが、そこを攻撃すると少女が傷つくと知ってのことだった。
その娘も同じように親族の前では仲良しを装っていた。
またしても少女は他人に不信を抱くようになり、自分の容姿を毛嫌いするようになった。
そして──今年から通うことになった雄英高校。
顔を洗い終えて少女は眼鏡をかけた。
髪に指を絡めて１本の三つ編みにしていく。
２つの色混ぜるように。
目立たぬよう、地味な自分を作る。
母親は「せっかくあの雄英に受かったんだから、イメチェンでもしてみたら？」なんて言うが、そんなつもりはない。
きっとこれからも、こうやって自分の容姿を誤摩化していくのだろう。
そんなふうに少女──Aは思っていた。
彼に────轟焦凍という少年に出会うまでは。
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
