爆豪家4 ページ13
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晩ご飯を食べ終わった後、爆豪は風呂に入りにいった。
その間、手持ち無沙汰で落ち着かないので、Aは洗い物の手伝いを買って出た。
「あのねAちゃん」
爆豪母と肩を並べて食器を拭いていると、申し訳なさそうに呼び掛けられた。
「は、はい…っ」
緊張しながら返事をすると「ちょっと問題があってね……」と、真剣な表情でAを見ている。
「客間が全然片付いてなくて、人を通せる状態じゃないのよ」
「泊めてもらう身なので私は気にしませんよ?」
「いやぁ、そのレベルじゃないのよ……」
曰く、荷物がいっぱいで足の踏み場もなく、布団なんてとても敷けない状態らしい。
すぐには片付けられそうになく、どうしようかと悩んでくれている。
「本当はこの連休中に片付けようと思って、勝己に帰るように言ったんだけどね」
爆豪母はため息混じりに話す。
「そしたらあの馬鹿が熱出しててさ、全っ然捗らなかったの!」
「あ、それで家に帰ってたんですね」
「そ。熱があるなら帰ってこなくてもよかったのに」
元気そうに見えたが、夕方近くまで寝込んでいたらしい。
あのメールは熱にうなされていた時の誤送信だったのだ。
(そういえば、鞄の中に水を入れっぱなしだ)
よく考えたら水だけ持って訪問ってのも変な話だ。
だまって持って帰って自分で飲もう。
でね……、と爆豪母は話を続けた。
「リビングに布団を敷いて……とかでも良い? 泊まっていけばって言ったのはこっちなんだけど……」
「はい、それで──……」
「いい。俺の部屋で寝かせる」
「へ?」
バスタオルで頭を拭きながら爆豪がリビングに入ってきた。
廊下で話は聞こえていたらしい。
「あんた……それはちょっと……」
「あ゛? 心配せんでも何もしねーわ」
「それはそれでどうかと思うけど?」
「……っ、クッソババァッ!! 黙ってろ!!」
爆豪母の「ねぇ、Aちゃん」なんて返事のしにくい問いに戸惑っていると、爆豪が怒鳴った。
「あの……小母さま。勝己君は私を保冷剤かホッカイロにしか思ってないので、大丈夫ですよ?」
Aの個性については洗い物をしながら話したので爆豪母は知っている。
ホッカイロとしての活用はまだだが、これからの季節を考えるとあり得ないこともない。
「……」
「……」
フォローを入れたつもりだったが、なぜか2人は黙ってしまった。
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華 - 作者さまが、書かれている小説はとても面白くキュンキュンさせてもらってます!イラストも完璧で!ところで、雪と炎のシンフォニー6のパスワード教えてもらえないでしょうか?? (2018年8月24日 17時) (レス) id: 8f943258c6 (このIDを非表示/違反報告)
蘭羅(プロフ) - いつも読ませていただいてます。作者さまが書いてくださってる爆豪くんがほんとに私の理想通りでキュンキュンが止まりません!(>_<)イラストも素敵です!これからも作品を楽しみにしています(^-^) (2018年8月13日 1時) (レス) id: 8f11b721e2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉#雅 - 続編楽しみにしてます。いつ投稿できそうですか? (2018年8月9日 23時) (レス) id: bd7f78cad2 (このIDを非表示/違反報告)
四宮 - 回答して下さりありがとうございます!プロヒーロー編の先行公開も読ませていただきました!すっごく面白かったです!楽しみに待ってますね! (2018年8月6日 23時) (レス) id: deef7ae511 (このIDを非表示/違反報告)
四宮 - いつも楽しく読ませていただいてます!あの、質問なんですけど、その6のプロヒーロー編って、書いていただけるんですよね?気になっちゃって笑すみません… (2018年8月6日 13時) (レス) id: 329a268fec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑪瑙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時:2018年7月7日 21時